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このページは、厚生労働省と中央労働災害防止協会で、長年、労働安全衛生の業務に携わった著者による、事業場の労働安全衛生担当者が知っておいた方がよいと思われる法律の基礎的な知識や判例などについての解説を載せています。
重要な法令の改正、通達による制度改正の詳細かつ具体的な解説の他、民法、刑法、安衛法などの基本的な考え方と労働災害防止との関係などについても解説してゆきます。
安全衛生担当者のための法律学入門
労働災害が発生した場合、会社のみならず関係者に民事賠償請求(損害賠償請求)がされることがあります。安全配慮義務違反と不法行為責任を中心に、安全衛生担当者に必要な知識を解説しています。
政府は、2024年2月に技能実習制度の廃止と「育成就労」の方針を決定しました。これは、受け入れた外国人材を3年間で、「特定技能」(1号)の水準に引き上げる制度とされています。この制度について詳細に解説します。
安衛法においても屈指の分かりにくい条文といわれる第44条第1項の個別検定についての規定を例に挙げ、図解しながらその構造について説明しています。複雑な規定が、実は、きわめて単純なものだというひとつの例です。
安衛法第42条の厚生労働大臣が定める規格を有していなければ譲渡提供できないものとは何かについて、条文が分かりにくいという指摘をよく聞きます。そこで、図解しながら条文の内容を説明しています。
判例と安全衛生
安全衛生関係の資料を読んでいると、判例の引用文を見かけることがあり、元の判例を知りたくなることがある。また、自分が関係している事案に関係する判例を調べたいということもあろう。ここでは、WEBを活用して無償で判例を調べる方法を解説している。また、判例の読み方や読むときの注意事項についても解説している。
大阪地判平成23年10月25日大阪市K協会事件について、事件の概要と判例について紹介し、本判決の疑問点と評価できる点を私なりに解説した。
慢性毒性による災害と事故による酸欠事故に関する2つの民事訴訟の判例を取り上げ、慢性毒性とアクシデント性の災害のリスクアセスメントの重要性と対応について解説した。
労働安全衛生法の就業制限業務の資格制度は、一定の危険有害な業務については、免許取得者、技能講習の修了者等でなければ就かせてはならないとするものです。
本稿では、これらの違反件数、違反率の推移を概説し、事前送検の事例を紹介するとともに、判例を挙げて、保険金の支払いや民事損害賠償請求に与える影響について解説しています。
ある事業主の方から、労働災害防止の話を労働者にしても真剣に聞いてもらえないので、労働者が労働災害発生に関して民事賠償請求を受けた例があれば知りたいとのお話があった。安全衛生分野ではないが、ひとつの例をご紹介する。労働者にも労働災害防止について(二義的ではあるが)責任があることを示す例と考えられる。
労働安全衛生法の考え方
近年、労働安全衛生法は、詳細な規定を定めるのではなく、枠組みのみを定めて現実の運用は事業者の自主的な判断に任せることを志向するものがあります。新しい、安全衛生法の枠組みの中で、事業者がどのように安全衛生活動を進めてゆくべきかを解説しています。。
「安衛法で禁止されていることをしなければよい」これホント?もちろん、そのような考え方は誤りです。入手できる危険有害性に関する情報を集めて、必要なことを実施せずに事故が起きれば、民事上、刑事上の責任を負うこととなります。法的な観点から解説をしています。
労働安全衛生法の基本的な考え方と、最近の労働災害の発生状況からみた規制にあり方について解説した。各種安全講話のネタにもなります。
労働安全衛生法の規制対象物が規制の対象であると知らなかった場合における安衛法違反の成立について、”故意”についての問題から解説しています。
労働安全衛生法には、化学物質について「使用」と「取扱い」という語感の似ている用語が使われている。この2つは異なる概念なのだが、意外に認識されていないようだ。そこで、具体的な条文を例に挙げて、この2つの用語について解説する。
安衛法に限らず法令には、日常の感覚とは異なる言葉遣いがされていることがあります。そのひとつに「除く」という言葉があります。法条文に「除く」とあったら除いていいのでしょうか? いや、それは本稿を読んでからにしてください。
法令・通達等の改正等の解説
【化学物質】自律的な管理ポータル
【化学物質関連の労働安全衛生法令改正】
2021年(令和3年)5月に石綿障害予防規則が改正(公布)されました。珪藻土が含まれるバスマット、コップ受け、なべ敷き、盆その他これらに類似する板状の製品を輸入する場合は、分析調査講習を受講(合格)した者等が行う試験の結果によって、石綿が含まれていないことを確認する必要があります。
また、それらの物を製造又は輸入する者が、石綿を0.1wt%を超えて含有していることを知ったときは、所轄の監督署長に報告しなければなりません。
【労働安全衛生関係法令の改正(一般)】
=省令改正の内容等= TGLの昇降板で人の昇降は許されるか テールゲートリフター作業手伝いの問題 TGLで昇降中の荷を地上で支える危険性 TGLキャスタストッパの種類と安全性 フルハーネス型墜落制止用器具に関する法令改正について
=墜落制止用器具入門= 【事務所則改正作業】事務所則等の改正とSNSによる批判
事務所則及び安衛則の改正作業が進んでいます。これに対してSNSで批判が巻き起こっています。この批判は女性による男女共同トイレの使用に対する不安感に根付いていますが、SOGI(LGBTQ)に対する差別問題が絡んでいます。改正と批判の内容及びその問題点について解説しています。
【通達の発出・改正による制度改正】
厚生労働省安全衛生部の3課長名連名の通達で、労働安全衛生教育のネットを通した実施についての解釈が示されています。安全衛生教育についても、ネットの活用について何が可能で、また何が起き得るのかを論じています。
厚生労働省から「情報通信機器を用いた産業医の職務の一部実施に関する留意事項等について」(令和3年3月31日基発0331第4号)が発出されています。本稿では、その内容について紹介するとともに、留意事項を解説しています。
安衛法の免許等への旧姓と通称名の併記について、帰化した日本人の扱いについて一部に誤解があるようです。
本稿では、帰化した日本人の旧姓等について解説しています。
安衛法の免許等への旧姓と通称名の併記について、通達が発出されました。厚生労働省のサイトには掲示されていませんが、独自に入手しました。
本稿では、氏名と通称名について、通達に基づいて解説しています。
(遅まきながら)2020年2月25日に安衛則の改正が公布され、免許証や技能講習修了証の氏名欄に旧姓や通称名の標記が認められていなかった点を改正し、併記ではありますが表示が認められるようになります。
本稿では、氏名と通称名についてのいくつかのよくある疑問について解説しています。
【労働安全衛生関係法令以外の法令等の改正】
2017年(平成29年)の民法の大幅改正が安全衛生分野に与える影響について解説しています。ここでは、消滅時効制度の改正と法定利率についての解説を中心にしています。
その他
【その他】
ある2人が全く同じ不安全行動をとったとしよう。ところが一方は第三者の死亡災害になり、もう一方は軽症災害となってしまった。この場合、前者は後者よりも責任は重いのだろうか。それとも等価なのだろうか。災害の再発防止という観点と、法律的な責任という観点からこの問題について考える。
健康のために、通勤時に電車又はバスの1~2区間を徒歩で歩いていて交通事故に遭遇したとしよう。この場合労災保険で通勤災害として補償されるのかについて解説を加えました。
「行政から出される通達とは、行政の上級機関から下級機関に対して出される命令である。従って、国民(企業も国民が運営している)はこれを守る必要がない」と言われることがあります。これは、本当でしょうか? 法的責任の観点から解説します。
国家公務員には安衛法の適用はありませんが、地方公務員には原則として安衛法の適用があります。しかし、非現業の地方公務員には、厚生労働省の監督権限は及びません。本稿では、地方公務員と安衛法令の適用関係について解説します。
新型コロナが5類に移行し、政府はマスクについて「個人の判断」との方針を掲げました。このため、民間企業で労働者や来場客へのマスクの義務化はできないとの誤解が広まっています。しかし、これが誤解であることを法的な観点から解説します。
無関係な第三者による犯罪被害は労災補償の対象となるかについて、京都アニメーションの火災事件を例に引きながら解説しています。