労働災害防止の基礎理論




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災害リスクを止める。リスク管理

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、厚生労働省と中央労働災害防止協会で、長年、労働安全衛生の業務に携わった著者による、労働災害防止に関する基礎理論についての総合サイトです。産業保健を含む労働災害防止一般に関する小論です。

労働災害以外の事故・災害についても、災害防止という観点から参考になるものを取り上げて。発生の要因と災害防止対策について記述しています。




労働災害防止理論一般

【労働災害防止理論一般】

リスクアセスメントの基本問題と解決法
リスクアセスメント関連の最新動向をめぐって

労働安全衛生の分野でリスクアセスメント制度が重大な進展をした2018年から2019年前半にかけてのリスクアセスメントについての動きをご紹介するとともに、その課題と私の感じる懸念を指摘し、それに対する私なりの解決策を示しています。

現代の労働災害防止に何が必要か

かつて、災害はルールを守らせることによって減らせました。ルールを守らせることによって労働災害は減少するのが当然でした。
しかし、現在ではその常識は通用しなくなっています。労働災害を減少させるために必要なことは何でしょうか。

ヒューマンエラーはだれの責任か?
RISKのイメージ図

ヒューマンエラーによる災害を防止するための考え方と手段を解説します。また、ヒューマンエラーによる災害での民事賠償訴訟を例にとり、ヒューマンエラーの対策を考えます。

不安全行為の責任は誰にあるのか
法律の女神

過去の判例を例に挙げながら、裁判所が「労働者の過失」をどのように評価して、損害賠償額に反映(減額)させているかを解説します。

安全衛生担当者の行う災害調査の目的
打合せをする男女

なぜ、「責任者の特定」を災害調査の目的にしてはならないのか。本稿では、災害調査の目的について解説します。

免許保有者への労働災害防止対策の必要性
打合せをする男女

免許保有者に対して、安全対策を行わずに危険な業務を単独で行わせて災害が発生し、民事賠償請求が認められた事件を紹介します。資格保有者への安全対策の必要性について解説します。

危険体感教育の効果と必要性について
打合せをする男女

近年、労働災害が減少しない理由のひとつに、労働者の危険に対する意識の低下があります。このうち危険性を再認識させることを目的として厚労省より、危険体感教育の関連通達が発出されています。その内容と効果について解説します。

【個別の労働災害防止対策】

ウェアラブル端末を用いた熱中症対策=失敗しないために何が必要か
水を飲む女性

厚労省は「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」において、ウェアラブルデバイスなどの IoT 機器の活用を呼び掛けています。その性能と活用の方法について解説します。

労働の場で「安全電圧」という言葉を使ってはならない2つの理由
ヘルメット姿の女性

筆者は「安全電圧」が存在するという考えを広めるべきではないと考えています。その理由は2つあります。そのひとつは、現場が自ら考えることを止めてしまい、これ以下の電圧は安全だと誤解してしまうことです。

感電災害の原因となる誤解=コンクリートは電気を流さないのか
学習する高校生

木製床やアスファルトの上で活線に触っても大丈夫だからといって、コンクリートの上でも安全とは限りません。電気工事従事社の多くに、コンクリートは不導体だから電流を流さないという誤解があります。その誤解を解きます。

安全衛生ルール策定の留意事項

労働災害防止に必要な考え方として、違反を誘発するようなルールを策定しないことについて解説しています。

安全衛生教育で大切なこと

労働安全衛生教育の講師を行うとき、最も難しいことは何でしょうか?
それは、相手がどの程度のことを知っているかが分からないので、どこまで話すべきかが分からないことです。
無意識のうちに、基本を話さなかったり、なぜその話をするのかを話さずに、結論だけを話すと聴いている方は理解ができません。どのように話すべきかを解説します。

デジタル教科書が労働安全教育に与える影響

学校教育の現場でデジタル教科書の利用を進める動きが拡大しています。デジタル教科書は紙の教科書に比して様々なメリットがあり、また、若い教員はデジタルに慣れていることから急速に拡大することが予想されます。
安全衛生教育においてもデジタル教材の活用が望まれます。

緊急事態発生時の危機管理と情報伝達

重大労働災害発生等の緊急事態発生時における情報伝達に必要な考え方や、必要な情報の在り方について解説しています。

墜落制止用器具の2丁掛けは危険

フルハーネス型の墜落制止用器具で、作業時に2本とも掛けたままにするよう指導する現場があります。しかし、これはショックアブソーバが共有のダブルランヤードであっても極めて危険な行為です。ランヤードは1本でも充分な強度があります。特殊なケースを除いては、作業時には1丁掛けとすることを強く推奨します。

フォークリフトの転倒災害を防止するために必要な4つのこと
転倒するフォークリフト

フォークリフトは荷の運送に便利な装置ですが、その構造から必然的に転倒しやすい特性を有しています。フォークリフトを転倒させないために必要な方法とともに、その転倒のメカニズム・災害発生件数について解説します。

リーチフォークリフトによる災害を防止するために
リーチフォークリフトを運転する男性

近年、リーチフォークリフトの利用が急速に広まっています。一方、リーチフォークリフト特有の危険性を十分に習得しないまま運転しているケースも見られます。リーチフォークリフト特有の危険性について解説します。

積載型トラッククレーンのジブ方向を変えて走行してはならない4つの理由
質問に答える女性

車検時に後方格納とした積載型トラッククレーンのジブを前方格納して走行しための重大な災害が発生しています。それが危険である3つの理由を解説します。

大型の移動式クレーンに特有のあまり知られていない4種の事故
大型の移動式クレーン

初めて大型の移動式クレーンの操作を行うとき、小型移動式クレーンでは考えられないような事故が起きることがあります。本稿では、そのような事故を4種ご紹介します。建設業の安全担当者の方は、ぜひ参考にされて下さい。

蜂刺され事故の防止のために
花と蜂

わが国では、毎年10 から 20 名の方が蜂刺されで亡くなっています。蜂刺されによる災害は、林業のみならず建設業、清掃業等にも広まっています。蜂による災害防止について解説しています。

第14次計画の目標(転倒)への疑問
階段で転倒する女性

厚生労働省は「第14次労働災害防止計画の指標について(案)」を公表しました。このうち、転倒災害のアウトカム指標(目標)の問題点について解説しています。

【業種ごとの労働災害防止対策】

地方公務員の労働災害・職業性疾病の推移
階段で転倒する女性

地方公務員の公務災害・職業性疾病の発生件数の推移を、脳・心臓疾患や精神障害を含めてグラフによって示しています。合わせて、地方公務員の長時間労働者の割合や、その把握状況、メンタルヘルス対策を行う地方公共団体の割合なども示しています。

第三次産業の労働災害防止の重要性

第三次産業の労働災害が増加を続けています。とりわけ、社会福祉施設、小売業及び飲食店の発生件数は第三次産業全体の約 5 割を占めています。その増加に歯止めをかけ、減少に転じることが重要です。

芸能従事者の就業中の事故防止

2021年3月26日に、フリーランスを含めた事故防止対策について、厚生労働省など3省1庁連名の文書が発出されています。我が国の、文化芸術のよりよい発展、継承のためにも、芸能関係者が働きやすい環境を確保できる必要があります。


一般災害に学ぶ

一般災害に学ぶシリーズ❿
廣瀬神社(静岡県伊豆の国市)の死亡事故を考える
リスク

廣瀬神社例大祭での山車横転による死亡事故は、あまりにも基本を忘れた災害と言えます。なぜ、このような災害が発生するのかについて考えます。

一般災害に学ぶシリーズ❾
だんじりによる死亡事故防止のために
危険にバツ印

伝統的な神事であるだんじり祭りで、今年も死亡事故が発生しました。だんじり祭ではこれまでも多くの事故が発生しています。だんじり祭りの事故を減らすためにどうすればよいかを考えます。

一般災害に学ぶシリーズ❽
学校の理科実験の事故防止に必要なこと
子供たちの化学実験

学校の理科実験で児童・生徒が救急搬送される「事故」が続発しています。学校の理科の実験を通して、子供たちに化学物質のリスクと正しい扱い方について身に着けさせるために何をするべきかについて解説します。

一般災害に学ぶシリーズ❼
咳止めシロップ剤薬害事件は防止できた
法律

2023年1月、WHO は、ジエチレングリコールが混入したシロップ剤によって、300人以上の子供が死亡したとして、関係者への対応を呼びかけました。同種の事件は、過去にも多くの国で発生しています。同じ事件が、なぜ、再び起きたのか、その問題点を解説します。

一般災害に学ぶシリーズ❻
KAZUⅠ経過報告書にみる過失の有無
法律

KAZUⅠの沈没事故について事故調査委員会が「経過報告」を公表しました。ここから考えられる刑事上・民事上の責任について解説し、労働安全衛生の立場から何を学ぶべきかを考えます。

一般災害に学ぶシリーズ❺
梨泰院の群衆災害と同種災害の類似性
服喪

梨泰院の群衆災害について過去の災害との類似性について解説し、同種災害を再び起こさないために何をすべきかを考えます。

一般災害に学ぶシリーズ❹
ジャングルジム火災と予見可能性

2016年11月の神宮外苑のイベントで発生した木製ジャングルジム火災事件による児童死亡事件を題材に、予見可能性について解説した。

一般災害に学ぶシリーズ❸ JR西 のぞみ34号(その2)
JR西 のぞみ34号調査報告書への疑問

のぞみ34号の重大インシデントに関する2月28日の調査報告について、3つの疑問点を挙げ、事故調査報告の在り方について解説しています。

一般災害に学ぶシリーズ❸ JR西 のぞみ34号(その1)
JR西 のぞみ34号重大インシデント

2017年12月に発生したのぞみ34号に発生した重大インシデントを例にとり、この事件から学ぶべきものについて解説しています。

一般災害に学ぶシリーズ❷ 福島第一原発事故(その3)
福島第一原発 東京高裁無罪判決の意味するもの
法律

福島第一原発事故について、東京高裁は、東京電力の幹部を無罪としました。無罪判決の問題について、我が国の国民と国土を守るリスク管理という立場から解説します。

一般災害に学ぶシリーズ❷ 福島第一原発事故(その2)
福島第一原発事故を引き起こしたもの あれは防止できた事故だ!

福島第一原発の事故における、東電本社の不手際について分析し、その本質がどこにあるかを学び、危機管理の反面教師とするための解説を行った。

一般災害に学ぶシリーズ❷ 福島第一原発事故(その1)
福島第一原発事故は予測できた それはあまりにも馬鹿げた事故だった

福島第一原発の事故は、事前の予測が可能でしかも簡単に対策をとることができた事故であったことを解説し、このような災害を起こさないためにどうすればよいのかについて解説を行った。

一般災害に学ぶシリーズ❶
学校における組体操事故を考える

小中学校の組体操のピラミッドやタワーの演技で死亡災害や障害の残る重篤な災害が多発し、文科省や各地の教育委員会が対策をとっている。このような災害がなぜ避けられなかったのかについて学び、労働災害防止の参考とするべく、その原因について分析を行った。


専門家の育成と活用

職場の化学物質管理の専門家をどう育成するか

最近、化学物質管理について専門家がいないということが問題になることがよくある。専門家を育成するためには、どうすればよいのかについて、様々なレベルの専門家に分類して、私の考えをまとめてみた

リスク回避と、専門家を育成するためのコスト

この原稿は、筆者が「厚生労働科学WEEKLY」(2013年3月1日号)のために執筆したもの(肩書も当時のもの/明らかな誤植を修正した)である。

専門家の育成に関しての柳川の考え方を自由に書いたものです。


その他

【労働災害発生状況等】

グラフで見る労働災害発生件数の推移

労働災害の発生件数、度数率、強度率などを、業種別、型別など多くのグラフを用いて解説しています。本来は、コンサルタント試験の受験用資料として執筆したものですが、一般の方にも参考になると思われますので、こちらからもリンクを張っておきます。

労働衛生(産業保健)最新統計

労働衛生(産業保健)関連の重要な統計を、多くのグラフを用いて解説しています。コンサルタント試験の受験用資料として執筆したものですが、一般の方にも参考になると思われますので、こちらからもリンクを張っておきます。

労働災害統計から新型コロナ感染症が除外された問題点
コンピュータを見て驚く女性

2022年(令和4年)の厚生労働省の労働災害統計が、2023年の5月23日に公表されたましたが、同時に公表される詳細な内訳の労働災害統計のExcelファイルから新型コロナウイルスへの罹患によるものが除かれています。その問題点を検討します。

【労働災害事例】

労働災害事例に学ぶ①
豊洲ターレット死亡災害について

2019年4月に豊洲で発生したターレットとエレベータ扉に挟まれた死亡災害を取り上げます。単純な災害のようですが、事前に同種の負傷災害が発生しており、ヒヤリハット事例も多いなど前兆があった災害でした。前兆がありながら、どうして防止できなかったのかを多角的に分析します。