コロナ5類移行後のマスク義務化の可否




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マスクを着用する女性

※ イメージ図(©photoAC)

新型コロナウイルス感染症の位置づけは、2023年(令和5年)5月8日から「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から「5類感染症」に変更となりました。

このとき、政府のマスクの着用に対する考え方が「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本。一定の場合にはマスク着用を推奨」と変更(※)になったため、国民の一部に「民間企業であっても、労働者や来場客にマスクの義務化はできない」という誤解が広まったようです。

※ それまでは、新型コロナウィルス感染症対策専門家会議が「新しい生活様式」を提言し、その中で外出時等のマスク着用を呼び掛けていました。これは法的な義務ではありませんし、いかなる意味でも政府による義務化といえるようなものではありませんでした。

しかし、それまでも政府はマスクの着用を国民に義務化したことはありません。あくまでも個人の判断に基づく着用を推奨していたにすぎません。従って、5類になったことによって、マスク着用に関する法的な位置づけは、基本的に何の変更もないというべきです。

基本的に、民間企業や団体であっても、その施設や坑内については管理権があることは当然で、感覚過敏などでマスクの着用が困難であるケースなどは別として、社会通念を著しく外れない限りマスク着用を義務化することには何の問題もありません。

とは言え、政府が「個人の判断」としたことで、社会通念が変わり、そのことで対応の変更を迫られることはあり得ます。新型コロナ感染症の政府の位置づけが5類に変わったことで、民間企業による労働者や来場客へのマスク着用の義務化の法律的な意味合いがどのように変わるかについて、解説をしています。




1 新型コロナ感染症の5類への変更と政府によるマスクの位置づけ

(1)新型コロナ感染症の5類移行までの政府の対応

執筆日時:

ウイルスとマスクをする女性

※ イメージ図(©photoAC)

新型コロナ感染症がわが国でも重大な問題として取り上げられ、これへの対応が世界的な問題となったのは 2019 年のことであった。

実を言えば、新型コロナ感染症に関するマスクについての政府の対応は、首尾一貫したものではなかった。WHO が 2020年2月に、症状がない人が、予防目的で学校や駅など公共の場でマスクを着用する必要はないとの見解を公表した(※)こともあり、この頃は厚生労働省は「健常者はマスクをする必要はない」としていたのである。

※ 日本経済新聞2020年3月1日「感染予防にマスク着用不要 過度の使用控えてとWHO

しかし、このとき WHO が不要としたのはサージカルマスクではなく N95 のマスクであり、医療現場で N95 のマスクが払底していたことから、健常人が N95 マスクを使う必要はないと呼びかけていたものである。2020年4月になると WHO は「健康な人のマスク使用に感染拡大を抑える効果を認める姿勢を示した(※)ことからも分かるように、実は WHO も揺れていたのである。

※ 産経新聞2020年4月6日「新型コロナ感染 マスクは不要か、必要か

2020年5月になると、WHO は方針を一転させ(※)て、「公共の場での着用を推奨すると発表した」のである。その理由としては「感染リスクについて新たな証拠が得られたこと」が挙げられている。君子は豹変することをいとわなかったわけで、そのこと自体は批判されるようなことではない。

※ BBC 2020年6月6日「WHO、マスク指針を大転換 密接場面での着用を推奨

日本政府は、WHO の対応と国民の世論の間で揺れ動いていた。健常者にはマスクは不要と広報する一方で、緊急に布製のマスク(アベノマスク)を製造・配布したが、これはあまりにも効果が低くしかも遅すぎた(※)。そして、民間によるマスク製造と供給が十分な量を確保できるようになると、態度を一変してマスクの着用を推奨するようになるのである。

※ 平児「アベノマスク問題の総括」が参考となる。

政府のマスクの推奨は、新型コロナウィルス感染症対策専門家会議が「新しい生活様式」を提言し、その中で外出時等のマスク着用を呼び掛けるという方法で行われた。これは、法的な義務ではないし、あくまでも国民一人一人の合理的な判断に訴えるということである。


(2)新型コロナ感染症の5類移行後の政府の対応

政府は、新型コロナ感染症を2023年(令和5年)5月8日から「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」から「5類感染症」に変更とした。すなわち、季節性インフルエンザと同じ対応に変更するということである。

この根拠となったのが、第7波のオミクロン株で致死率が低かったことである。だが、それと同時に日本維新の会の強い要望が背景にあったこと(※)、自民党にも感染対策よりも経済を動かす方が重要という意識が強くなってきたことも挙げられよう。

※ NHK 2023年1月27日「5月8日に「5類」引き下げへ 新型コロナ初確認から3年

表 新型コロナ感染症の致死率の変化
60歳未満 60代・70代 80歳以上
第5波
2021年7月~11月
0.08% 1.34% 7.92%
第7波
2022年7月~8月
0.00% 0.18% 1.69%

※ 厚生労働省による(石川、茨城、広島3県のデータより作成)

また、WHO も2023年5月に「新型コロナウイルス感染症を巡る緊急事態宣言(期間)を終了すると記者会見で発表した(※)

※ BBC 2023年5月6日「WHO、新型コロナの緊急事態宣言を終了 脅威は消えずと警告

そして、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」において、マスクの着用については、「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本。一定の場合にはマスク着用を推奨」という方針を打ち出したのである。

さらに厚労省は、令和5年2月14日事務連絡「マスク着用の考え方の見直し等(特に医療機関における取扱い)について」を示し、①医療機関受診時、②医療機関や高齢者施設等への訪問時、③通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスに乗車する時については、マスクの着用が推奨されるとした(※)

※ つまり、それ以外については推奨しない(個人の判断)だと言っているのである。

しかし、考えてみればおかしな話ではある。政府は、それまでもマスクの着用を法的な義務として国民に義務付けたことはなかった。あくまでも、新型コロナウィルス感染症対策専門家会議の提言「新しい生活様式」の中で呼びかけていたに過ぎない。

であれば、2類のときも5類になってからも、法的には個人の判断だったはずである。ところが、政府の「個人の判断に委ねる」が独り歩きしてしまったのである。

さらに、民間企業や機関は、それぞれの判断でそれぞれの施設内のマスク着用をどうするかを決定できる法的な権限(施設管理権)があるにもかかわらず、その労働者や来場客に対して、マスクは個人の判断としなければならないという誤解が生まれてしまったのである。


(3)マスクを個人の判断としたことは正しかったのか

病気に苦しむ女性

※ イメージ図(©photoAC)

筆者は、政府がマスク着用を「個人の判断」とし、どちらかといえばマスクを外すことを推奨しているように見えることには強い懸念を有している。

確かに、あまりにも過度な対策を採って経済を冷え込ませることは避けるべきであり、対策はリスクに応じた適切な水準とするべきだという考えには、一般論としては同意できる。

しかしながら、マスクの着用の勧奨を止めるばかりか、外すことを推奨するがごとき雰囲気を作った(※)ことは理解に苦しむ。確かに、第7派のオミクロン株の致死率は減少したが、その後に致死率の高い変異株が現れないという保証はどこにもないのである。

※ 朝日新聞 2023年3月12日「「マスクを外して、顔を出して、忘れていた化粧も」自民・麻生副総裁

しかも、インフルエンザとは異なり、新型コロナ感染症では、長期の後遺症に苦しむケースがある(※)ことも指摘されている。

※ 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A」、産経新聞 2022年3月25日「倦怠感、思考力低下、咳…オミクロン株の後遺症深刻

さらに、厚生労働省の公式見解によってさえ、感染後「発症2日前から発症後7~10日はウイルスを排出している」とされているのに、「発症日を0日目として5日間は外出を控えること」として、6日目以降は個人の判断によってマスクなしで外出することも可能とするなど、感染防止対策という観点からは理解に苦しむようなことをしているのである。

マスクをすることなど、それほど大きなコストが必要になるわけではない。5類にしたことの是非はここでは論じないが、新型コロナ感染症へのリスク防止という観点からは、マスクの着用は引き続き推奨するべきではなかっただろうか。


2 民間企業等による労働者・来場者へのマスク着用の義務付けの可否

(1)一般論

一般論として、民間企業・機関は、その管理する施設や敷地について、財産権としての管理権を持っている。従って、その労働者や来場客に対してマスクの着用を求めることは一般論としては法的にも可能である。

もちろん、感覚過敏などマスクの着用が困難なケースなど、社会通念上マスクの強制が許されない場合もあるだろうが、原則としてマスク着用の義務付けをすることは可能である。

一部に、国が「個人の判断」とした以上、民間企業・機関もマスクの強制は許されないと考える向きもあるようだが、これはまったくの誤解である。


(2)民間企業は労働者にマスクの義務化をすることができるか

先述した通り、企業は、施設管理権を有しており、また就業規則を社会通念に反しない限り自由に定めることができる。そして、労働者の新型コロナ感染症への罹患を避けることは、企業経営に必要な行為である。また、そのことは労働者の福利厚生にも寄与することが明らかである。

従って、民間企業がその労働者に対して、マスクの着用を義務付けることは、合理的な行為であるから法的にも可能である。従って、それに従わない者を懲戒することも可能となる。

ただし、感覚過敏などでマスクをすることが困難な労働者に対しては、懲戒処分を行うことは許されないと考える。その場合、会社がその労働者の出社を拒否することが可能かが問題となる。

これについては、出社拒否は労働者に対する影響が大きすぎるので、その労働者が就業できるような職種(一人で働くことが可能な職種など)への転換や、マスク以外の感染対策が求められるだろう。そして、それらの措置が不可能な場合に出社拒否が許されるかどうかは、かなり微妙な判断である。筆者としては、5類になってからはこれを認めることは、困難ではないかと考える(※)

※ 理論上は、100%の賃金の補償をするなら、特殊な場合を除けば出勤拒否も可能である。しかし、5類になって以降は、現実にそのようなことをする事業者がいるとは考えにくい。

なお、大手の企業では労働者に対してマスク着用を義務付けないことが多いようである(※)

※ 日本経団連「マスクの着脱について」(2023年2月13日)参照

一方、鉄道、スーパーなどは、労働者はマスク着用、乗客は個人判断となるケースが多いようだ。

※ MBS NEWS 2023年5月6日「【マスク着用】鉄道・デパート・スーパー「客は個人判断、従業員は着用」着用継続派は「メイク崩れ気になる」「顔隠したい」


(3)商店が来客にマスクの義務化をすることができるか

筆者は一般の小売業(デパート、スーパー、コンビニ、一般商店等)が、顧客にマスクの義務化をすることは、施設管理権がある以上、法的には可能であると考える。従って、マスクの着用をしていない者の入場を禁じることも許されることとなる。

しかし、営業という観点からは、現実には、マスク着用を義務化することは困難だろう。先述したように、従業員はマスク着用、来客は個人判断という事業者が多いようだ。仮にマスク着用を義務付けるとしても、実際にできることは、せいぜいマスク着用の励行をアナウンスする程度であろうか(※)

※ 現実には、この程度のことでも、反マスクの人々が SNS に批判を書いたり、抗議の電話をしてきたりすることがあるのが現実ではあるのだが・・・。


(4)教育機関が学生・生徒のマスクの義務化をすることができるか

教育機関が学生・生徒のマスクの義務化をすることも、施設管理権の一環として法的には許されるだろう。従って、入学する前に学生・生徒に対してマスク着用が入学の条件であることを周知しておけば、従わない者に対して社会的合理性を欠かない範囲で処罰することも可能と考える。

なお、これは、学習塾や安全衛生法上の登録教習機関においても同様である。

しかし、すでに入学している学生・生徒に対して、マスクの着用を義務付け、これをしない者に対して処罰することが許されるかは、問題となり得よう。そして、新型コロナ感染症が5類となったことを考慮すれば、停学や退学などの厳しい処分をすることは許されないものと考えられる。


(5)医療機関が患者・見舞客のマスクの義務化をすることができるか

医療機関については、5類となって以降も患者や見舞客などに対してマスクの着用を義務付けているところが多い(※)ようである。

※ 日本医師会感染症危機管理対策室長「マスク着用の考え方の見直し等について(令和5年3月 13 日以降の取扱い)」(令和5年2月13日 日医発第2141号(健Ⅱ))、日本医師会「医療機関、介護施設等でのマスクの着用のお願い」、神奈川県「令和5年3月13日以降も医療機関内では、いつもマスク着用」など参照

医療機関にも、施設管理権があり、しかも医療機関については国がマスク着用を推奨していることもあり、法的には問題となるようなことはない。

なお、マスクの着用を義務付けている医療機関等に対して、長時間にわたって抗議の電話をしたりする者が一部にいるようだ。態様によってはそのような行為は業務妨害罪になりかねない違法性の高い行為というべきである。


(6)交通機関が乗客のマスクの義務化をすることができるか

交通機関については、原則として契約自由の原則が、完全には認められていない。例えば、鉄道などは、乗客については合理的な理由がない限り、輸送契約を断ることができないのである。

もちろん、鉄道会社やバス会社、航空会社であっても施設管理権があることはいうまでもない。現実に、新型コロナ感染症が2類のときはマスクをしていない者を航空機から降ろすという措置を採ることもあったのである(※)

※ PRESIDENT Online 2020年11月14日「「マスク拒否での強制降機も当然」機長に絶大な権限が与えられた歴史的経緯」、朝日新聞 2023年10月30日「マスク着用拒否の被告 二審も有罪判決 旅客機緊急着陸で業務妨害」など参照

しかし、5類になって政府がマスク着用を「個人の判断」としたことから、今後はそれを徹底することは法的にも困難になるだろう(※)。事実、交通各社ともかなり柔軟な対応に切り替えているようである。

※ 個人の判断でマスクをしないこともできるのであるから、鉄道会社などとしては、その者の乗車を拒否することには、合理的な根拠がないこととなる。なお、国土交通省は、「鉄道利用者の皆様へ(新型コロナウイルス感染症対策の利用者向け情報)」において、「政府は事業者等の自主的な感染対策の取組に対し情報提供の支援を行うこととしています」としている。

とりわけ、航空会社については、かなり柔軟な対応が取られている(※)。ただ、ANAは、WEBサイトにおいて「ただし、出発地、目的地、寄港地によっては、法律や規則に沿ったマスクの着用をお願いする場合がございます」としている。国際便についての記述なのかもしれない。

※ 定期航空協会「令和5年3月13日以降のマスク着用の考え方について」(2023年02月21日)、日本航空株式会社「〔ご案内〕マスク着用について」、ANA「感染症対策」など参照


3 民間企業等による労働者等へのマスクをしないことを義務付けることの可否

(1)一般論

ア 労働者に対するマスク着用禁止は可能か

では、逆に民間企業が労働者や来場客等に対してマスク着用を禁止することは可能だろうか。

まず、労働者に対しては、一般論として、労働者に対してマスク着用を禁止することは許されないと考える。もちろん、事業者には先述したように、施設管理権も就業規則制定権もある。しかし、それも社会通念上、合理的なものでなければならない。

労働者がマスクをしたからといって事業者に不利益になるとは考えにくい。また、マスクによって防止しようとしているのは感染症への罹患である。感染症へのリスクのあることを、事業者が労働者に求めることができると考えることは困難であろう。


イ 来場客へのマスク着用禁止は可能か

一方、来場者に対してはどうであろうか。これは、嫌ならその場所へ行かなければ良いだけであるから、原則としてマスクの禁止も絶対に許されないわけではないと考えられる。

しかし、現代社会においては、企業や民間機関も、一定の社会的な役割を持つものである以上、社会的な相当性がない限りマスクの禁止は違法性を持つ場合もあり得ると考える。


(2)マスクを外すことを求めることが許される場合

ア 映画演劇業の俳優

では、マスクを外すことを労働者や来場客に求めることが可能なケースはあるだろうか。そのようなケースは限定的ではあるがないわけではないと考える。

ひとつは、映画・演劇業である。この場合、俳優に対してマスクを外すことを求めることは可能であろう。しかし、その場合であっても、感染対策(役者の検温、アルコール消毒の励行等)を十分にとることが求められよう。


イ 化粧品販売を行う販売員

次に、接客業務で販売員にマスクを外すことを義務化することは許されるだろうか。一般論としては、やはりマスクを外すことを労働者に対して求めることは許されないと考えられる。

例えば、スキンケア等の化粧品を販売する店が、マスクを外すことを店頭の販売員に求めることが許されるかが問題になり得る。しかし、筆者は、そのようなケースであっても許されないと考える。事業者が、労働者に対して新型コロナ感染のリスクを求めることは社会通念から許されることではない。

販売員の顔は、商品の宣伝用のディスプレイではないのだ。


ウ テロ防止対策

では、反対派の妨害のおそれがある集会等を開く場合、来場者のマスク着用を禁止することは許されるだろうか。これは、政治的なメッセージを込めたライブの会場などでも問題となり得る。

筆者は、そのような場合はマスク着用の禁止も許されないわけではないと考える。そのような政治集会などに参加するかしないかは、自由に決められることであり、嫌なら出席しなければ良いからである。


4 最後に

病気に苦しむ女性

※ イメージ図(©photoAC)

政府が新型コロナ感染症を2類から5類に変更したことの理由は、第7波のオミクロン株による致死率が低かったからということである。もちろん、経済活性化も重要であるから、感染症対策にあまりにも過大な負担をかけることは正しいことではない。

問題は、マスク着用のような、きわめて有効でかつ負担の少ない個人レベルの感染症対策まで「個人の判断」と強調したことである。新型コロナは決して撲滅したわけではない。今もなお、多くの感染者が発生している。そして、その一部は、激しい後遺症に苦しんでいるのである。新型コロナ感染症は、重篤な後遺症があることからも「ただの風邪」などではないのだ。

それにもかかわらず、マスク着用という感染症対策について、与党の幹部が止めることを推奨するがごとき発言をする(※)のは、明らかに間違った態度だろう。

※ 朝日新聞 2023年3月12日「「マスクを外して、顔を出して、忘れていた化粧も」自民・麻生副総裁

また、マスコミが「コロナ後」「アフターコロナ」というやや誤解を受けるような言葉を多用するのも如何なものであろうか。

※ REUTERS 2024年1月17日「訪日客、12月はコロナ後最多の273万人 通年も約8割回復=政府観光局」、東洋経済 2020年6月9日「「コロナ後の旅行」は"3つの点"で大きく変わる

コロナは決して終わってはいない。リスクは正しく恐れる必要がある。観光をするなとは言わない。そのようなことでは経済は冷え込んでしまうし、人生の楽しみの一部が失われてしまう。しかし、手洗いやマスク着用など最低限の必要な対策はするべきなのだ。

また、企業も「国が何を言おうと、何をするべきかは自ら判断して自ら行動する」という気概きがいを持つべきである。政府が「個人の判断」といったからといって、自社の労働者や、来客に対して政府の言いなりに行動するというのはあまりにも情けない態度である。

自らの判断と一致しているというなら、それもよいかもしれない。しかし、「政府が言ったから」ではなく、「ミスからリスクを評価して自ら何をなすべきかを判断する」という意識が企業になければ、日本の未来は凋落ちょうらく傾向をつづけるだけであろう。


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