労働災害に遭遇するリスクとは




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統計による分析

一般の労働者が一生のうちに労働災害に被災するリスクを見える化しました。

すべての業種・職種における平均値を示しています。同様な方法で、様ざまな業種におけるリスクが評価できると考えています。

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労働災害発生に被災するリスクの評価

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労働災害の発生状況

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労働災害発生件数の推移は、死亡災害、休業4日以上の災害ともに、高度経済成長期に比較すれば大きく減少している。しかし、この状況で労働者の被災するリスクはどの程度なのだろうか。

【コラム:労働災害に遭遇するリスクをどう評価するべきか】

1 休業4日以上の災害

2022年の1年間に、ある雇用者が休業4日以上の労働災害に被災するリスク(被災可能性)は

休業4日以上の被災者数  232,355 労働力調査による雇用者数  5699 万人 1 431

となり、約431人に1人が被災するリスクがある。

この状況下で40年間(25歳から65歳まで)働くと、

1 431 × 40 1 10.8

となり、約10.8人に1人が被災するリスクがある。

2 死亡災害

一方、2022年の1年間に、ある雇用者が労働災害で死亡するリスク(被災可能性)は

死亡災害の被災者数  774 労働力調査による雇用者数  5699 万人 1 73,630

となり、約7万4千人に1人が死亡するリスクがある。

この状況下で40年間(25歳から65歳まで)働くと、

1 73,630 × 40 1 1,841

となり、約1,841人に1人が死亡することになる。

3 どのように評価するべきか

少なくとも、このような数値は容認できるレベルとはいえない。しかも、現実には、事務職など被災する可能性のほとんどない雇用者も存在しているので、一定の危険性を有する職業に従事する労働者が被災するリスクはこれよりもかなり大きいのである。

※ 労働力調査の雇用者数は、Ⅰ-A-第6表の「役員を除く雇用者数(全産業)」を用いている。

※ 40年間の被災者数の算出では、高次の項は無視している。

【コラム:業種と労働災害に遭遇するリスク】

業種ごとの危険性は、度数率や年千人率の推移などを参照して頂きたいが、製造業、建設業の休業4日以上の労働災害発生件数は、高度経済成長期から大きく減少しているとはいえ、その雇用者数割合よりはるかに大きな災害発生件数の割合となっている。

一方、死亡災害についてみると、製造業は労働者の割合よりもそれほど高くはなく、建設業はさらに大きくなっている。製造業の死亡者数の割合がそれほど高くないのは、交通事故による死亡災害発生件数が製造業は低いからである。一方、建設業の死亡災害の割合が高いのは、墜落・転落災害の多さによる。

これらの業種における労働災害に被災するリスクは、他の業種に比較してきわめて大きいと考えざるを得ない。

2022年 全業種 製造業 建設業
雇用者数割合 1.000 0.167 0.066
労働災害発生割合 1.000 0.202 0.110
死亡災害発生割合 1.000 0.181 0.324

※ 雇用者数はここでも、労働力調査のⅠ-A-第6表の「役員を除く雇用者数(産業別)」を用いている。

異なる統計間の比較なので正確なものではない。また、例えば建設業の本社オフィスにおける災害では、労働力調査では建設業の雇用者となるが、労働災害統計では「その他の事業」の災害件数となる。


労働災害発生件数の推移の各種グラフは、こちらから






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