※ イメージ図(©photoAC)
労働災害に関する最新の統計データを、業種別・型別・起因物別の他、様ざまな観点からグラフにして掲示しています。
労働災害の発生状況を知ることは、労働安全衛生管理の前提となるものです。御社に必要な情報を社内の安全管理に活かせて頂ければと思います。
また、労働安全コンサルタント試験を受験する上でも、だいたいの傾向を覚えておくべきものです。試験までに記憶しておくようにしましょう。
グラフの無断流用はお断りします。
- 労働災害発生件数の推移
- 死亡労働災害発生件数の推移
- 業種ごとの型別労働災害発生件数の推移
- 業種ごとの起因物別労働災害発生件数の推移
- 業種ごとの年齢階層別労働災害発生件数の推移
- 業種ごとの型別労働災害(死亡)発生件数の推移
- 災害の型・起因物ごとの労働災害発生件数の推移
- 業種ごとの度数率、強度率、年千人率等の推移
4 業種ごとの型別労働災害(死亡)発生件数の推移
(1)製造業における事故型別労働災害(死亡)発生状況
さて、安全コンサルタント試験では、業種ごとの事故の型別の労働災害(死亡)の発生状況を問われることはあまりないが、希望が多かったので型別の労働災害発生(死亡)の推移を示す。
中央付近の最も大きな青い部分は「はさまれ・巻き込まれ」で、死亡災害についても、製造業では今なおこの型が最も多い。
一番下の水色は「墜落・転落」その上の小さな濃いオレンジは転倒、さらに上の黄色は飛来落下である。また、上部のやや濃いめの水色は交通事故(道路)である。
(2)建設業における事故型別労働災害(死亡)発生状況
建設業では、死亡災害についても「墜落・転落」(一番下の空色の部分)が最も大きい。他に目立つのは下から2番目のオレンジが「転倒」、下から4番目の黄色が「飛来・落下」、上の方の茶色は「切れ・こすれ」、そのすぐ下の青い部分が「はさまれ・巻き込まれ」である。
一方、死傷災害全体では目立たなかった「崩壊・倒壊」(ブルー)、「激突され」(グリーン)、「はさまれ・巻き込まれ」が目立つ。
(3)運輸交通業などの労働災害(死亡)発生状況
厚労省の統計では、業種区分では運輸関係の大分類は「運輸交通業」であるが、労働安全コンルタント試験では「陸上貨物運送業」について問われることが多いので、死亡災害についても「陸上貨物運送業」について示しておく。
陸上貨物運送業では、死亡災害は「交通事故(道路)」(上方の水色の部分)が最も大きい。他に目立つのは下から1番目の青色が墜落・転落、下から4番目の黄色が「飛来・落下」、上の方の茶色は「切れ・こすれ」、そのすぐ下の青い部分が「はさまれ・巻き込まれ」である。
(4)商業などの労働災害(死亡)発生状況
厚労省の統計では、業種区分では商業関係の大分類は「商業」であるが、労働安全コンルタント試験では「卸小売り業」について問われることが多い。
そこで、「卸小売り業」について示しておく。
卸小売業では、最も目立つのが上方の水色の「交通事故(道路)」である。他はそれほど目立つ型はない。
(5)第三次産業の労働災害(死亡)発生状況
第三次産業についても、2012年(平成24年)以降の分類結果が公表されている(※)。休業4日以上の災害とは異なり、第三次産業においても死亡災害は減少傾向にある。
※ これは安全課から公表されている数値で、2020年と2021年は、新型コロナウイルスに罹患したものを含むが、2022年は含んでいない。
「交通事故(道路)」は減少傾向が大きく、第三次産業全体の減少に大きく寄与しているが、絶対数としてはかなりの割合を占めている。その他、「墜落・転落」、「はさまれ・巻き込まれ」もかなりの数を締めている(※)。
※ 2019年に「火災」が急増しているが、これは京アニのビル放火事件の犠牲者がほとんどである。事故の型としては「犯罪によるもの」(その他)ではなく「火災」とされた。