衛生管理者試験の学習方法 3




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衛生管理者試験

衛生管理者試験に短期合格するための効率的な学習方法を示しています。

衛生管理者試験の受験者は仕事を抱えていることが普通ですし、職場に資格者がいなければ短期で合格しなければならない場合もあります。

もちろん衛生管理者の職務を適切に行うための知識を得ることも重要ですが、残念ながら試験の合格のための知識とは必ずしも一致しないのが実情です。

職場の労働衛生のために必要な知識を身に付けることとは別に、本稿では短期合格のためのノウハウを解説しています。

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衛生管理者試験短期合格のための過去問の利用方法

執筆日時:

1 過去問をどのように利用するべきか

(1)学習の範囲を絞ること

ア 衛生管理者にとって必要な学習範囲はきわめて広い

衛生管理者に必要な知識の範囲は極めて広い。安衛法令の関係条文だけでも、安衛法、安衛令、安衛則のみならず、有機則、特化則、酸欠則、電離則など多くの特別規則(省令)があり、その他にも、じん肺法、作業環境測定法など関連法例も多い。

さらには、法令以外でも、振動病、熱中症、情報処理機器、メンタルヘルスなど様々な分野のガイドラインが、厚労省から出されている。

これらを全てに渡って詳細に学習することは(好ましいことではあるが)、他に本業を持っており、個人的な用務も多い中では容易なことではない。

イ 効果的に学習するために、過去問から出題傾向を把握する必要がある

そこで、最初のページで述べたように、本サイトでは、過去問を単に出題順に並べているだけではなく、各科目ごとに、種類分けしているのである。

例えば、第1種衛生管理者 関係法令(有害業務以外)を見て頂ければ、過去の出題範囲と、出題の頻度が一目瞭然となっているのである。

過去7回(2017年4月公表分~2020年4月公表分)で、安衛則の衛生基準から6問、衛生委員会から5問、衛生管理者に実施させるべき業務から5問、労基法上の妊産婦保護から5問、労基法の育児時間から5問出題されている。ここは確実に抑えておかなければならない範囲である。

ただし、この5つの範囲から必ず出題されるわけではない。確率から言えば、今後、実際に受験した場合に出題されるのは、2~3問である。しかし、合格のためには6割(5問)正答できなければならない。

そこで、他の問題で出題傾向の大きなものから順に学習してゆくのである。この方法をとることにより、きわめて効率的に学習ができるようになるのである。

(2)過去問の選択肢を徹底的に理解すること

また、前のページで述べたように、衛生管理者試験の各選択肢は、過去問で同様な内容が出題されているケースがきわめて多いのである。そこで、学習すべき範囲の過去問について、徹底的に各選択肢の内容を理解して記憶する必要がある。

このサイトでは、衛生管理者の多くの試験問題集とは異なり、例えば関係法令の問題では、安易に結論だけを示すのではなく、法律、政令、省令の各条文を示して、その内容が理解できるように説明をしている。学習する側から見れば、他の問題集などと異なり、やや煩雑で難しいと感じられるかもしれない。

しかし、過去問を解き、結果だけを見て正答したか誤答したかをチェックして、これを繰り返すような学習方法をしていたのでは、逆に合格までの学習時間がいたずらに増大してしまう

きちんと条文を見て、その条文を理解し、関連しそうな知識を合わせて覚えることで、合格までの時間を短縮できるばかりか、合格後の実務において役立つ知識を身に付けることができるのである。

2 最後に(第1種と第2種の関係)

第1種衛生管理者は有害業務の存在する業種を含めてすべての事業場の衛生管理者になることができるが、第2種衛生管理者は有害業務のない業種の衛生管理者にしかなることができない。

そのため試験問題の出題の科目は第1表のようになっている。なお、カッコの中は配点であり、各科目の得点に配点を乗じて合計した点数が満点の60%以上で、かつ、各科目の得点がすべて40%以上が合格である。

表1:第1種と第2種の出題範囲
  第1種衛生管理者 第2種衛生管理者
関係法令/有害業務 10問(80点) -
労働衛生/有害業務 10問(80点) -
関係法令/有害業務以外 7問(70点) 10問(100点)
労働衛生/有害業務以外 7問(70点) 10問(100点)
労働生理 10問(100点) 10問(100点)

※ 船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するものは「労働生理」が免除される。なお、労働生理が免除されるのは、この場合だけである。

なお、第2種の試験科目は、正しくは「関係法令」、「労働衛生」及び「労働生理」となっているが、「関係法令」と「労働衛生」は、第1種の「関係法令(有害業務以外)」「労働衛生(有害業務以外)」と同じである。

ただし、第2種の試験科目の「関係法令」と「労働衛生」は、第1種の「関係法令(有害業務以外)」と「労働衛生(有害業務以外)」より問題数が多い。そのため、過去問を見てみると、「関係法令」では、衛生管理体制、安全衛生教育、事務室の空気環境などが、「労働衛生」では、事務室の必要換気量、熱中症、照明・採光が2種特有の問題として出題される傾向があるようだ。

なお、第2種衛生管理者試験の合格者は、第1種試験を「関係法令(有害業務)」と「労働衛生(有害業務)」のみで受験できる。そのため、まず第2種に合格してから第1種を目指すという人がいるが、あまりお勧めはできない。

有害業務関係は得意だが、有害業務以外や労働生理は苦手だという場合は第2種に合格しにくく、逆に有害業務以外や労働生理は得意だが、有害業務関係は苦手だという場合は、第1種に合格しにくくなるからである。


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