口述試験マニュアル




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政府による圧力

初めて労働衛生コンサルタント試験の口述試験を受けるときに、「試験場の雰囲気が分からなくて不安」、という声があります。

口述試験を受験するとき、余計な不安はなくして知識を十分に発揮できるようにしておくことが望ましいことはいうまでもありません。

不安をなくして実力を発揮できるように、口述試験の流れや事前に準備しておくとよい事項をまとめてみました。筆記試験が終わったら参考にしてみてください。

内容の無断流用はお断りします。



労働衛生コンサルタント試験
口述試験マニュアル(1/4)

執筆日時:

1 最初に

(1)口述試験では何を求められるか

ア 口述試験で求められること

労働衛生コンサルタント試験(保健衛生)の口述試験で試されるのは、(試験の実態として)「産業保健に対する姿勢」「コンサルタントとしての資質」「職業性疾病防止のための具体的な知識」などである。そして、このうち最も重要なものは「職業性疾病防止のための具体的な知識」である。

実際に受けてみると分かるが「産業保健に対する姿勢」は試験の前半で形式的に尋ねられるのみである。

なお、安衛法についての知識は、記述式試験で確認済みなので、口述試験では問われないことになっている。ただし、保健衛生区分では記述式全免除の受験者が多いためだろうが、過去問をネットで調べてみると免除を受けていない受験者も含めて尋ねられるのが実態のようである。ただ、あまり詳細なことは聞かれないようだ。

イ 専門的な知識に関して問われること
(ア)試験問題の範囲

口述試験の試験官は、我が国の産業保健界でも中心的なメンバーである(※)。試験官の基本的な関心の対象は「実務」にある。「学術」的な知識はあまり問われない。そして、試験官の問題意識の中心は職業性疾病の防止にある。

※ 試験委員の氏名、経歴等は公表されていないが、「労働安全衛生コンサルタント試験委員規程」によれば「コンサルタント試験委員は、労働災害の防止に関し学識経験を有する者又は厚生労働省の職員のうちから、厚生労働大臣が任命する」とされている。

すなわち、学識者(職業性疾病に関する学術的な知識)、実務経験者(現場の実務における知識・経験)、行政官(関係法令に関する知識)から試験委員は構成されているわけである。労働衛生に関する最先端の現場にいて、その知識で仕事を行っているので、日本で最も知識の深い人たちと考えてよい。

どのような有害要因でどのような職業性疾病になるか、それらを防止するための具体的な手法は何かなどが中心となる。有害要因としては、化学物質、粉じん、振動、温熱環境、作業態様など幅が広い。なお、健康の保持増進やメンタルヘルスは、筆記試験では重要項目であるが、口述試験ではあまり問われることはないようだ。

(イ)試験問題の特徴

ネットに流布している口述試験の体験記などを見ると分かるが、職業性疾病の防止対策については、実務で労働衛生管理を行った経験があれば容易に解答できるが、経験がないと答えられないようなことを尋ねられることがある。

たとえば、安衛令別表第9に示されている物質を一定濃度以上含有している物を譲渡、提供する場合にSDSを提供しなければならないという知識は誰でも持っている。しかし、誰でも知っているようなことを聞いたのでは試験にならないことは当然であろう。

そこで「GHS区分の1と2ではどちらがより危険・有害性が高いか」と聞かれた場合、実際にSDSを使って労働衛生管理を実施した経験があれば必ず分かっていることだが、経験がない受験者では答えられないことがあるのだ。

(ウ)正答がある問題を一問一答の形式で行うことが多い

司法試験だと、試験官が自分でも答えのよく分からない質問をして受験生の解答から、自分が書く論文のネタを探すなどという噂があるが、コンサルタント試験ではそのようなことはない。

質問は、試験官の側に期待する解答(正答)があるような質問が多い。質問を聞いて試験官の出題意図が分かるようなら、確実に合格できるだろう。逆に、なんでこんなことを聞くんだろうと思うようでは、合格は覚束ない。試験官の意図を推測しながら答えるようにすると、正答になりやすいかもしれない。





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