労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生一般 問11

健康診断の事後措置指針




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

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2022年度(令和04年度) 問11 難易度 健康診断の事後措置に関する常識的な問題である。試験現場で考えて正答できるだろう。
健康診断の事後措置

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問11 健康診断の事後措置等に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)事後措置には、再検査や精密検査の受診の勧奨は含まれない。

(2)健康診断結果は、職場ごとに集計して衛生委員会に提示し、労働衛生管理上の課題の抽出や改善策の検討のために活用する。

(3)産業保健業務従事者以外の者に健康情報を取り扱わせるときは、就業上の措置を実施する上で必要最小限のものとなるようにする。

(4)要保健指導となった場合、行動変容のための情報提供や動機づけなどの支援を行う。

(5)事後措置により配置転換をする場合、新たな職務が本人にとって働きがいがあるよう配慮する。

正答(1)

【解説】

問11試験結果

試験解答状況
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(1)適切ではない。「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針平成29年4月14日基発 0414 第2号)」の2の(5)の「ロ 保健指導」の項に「保健指導として必要に応じ日常生活面での指導、健康管理に関する情報の提供、健康診断に基づく再検査又は精密検査、治療のための受診の勧奨等を行う」とされている。事後措置には、再検査や精密検査の受診の勧奨が含まれる。

(2)適切である。衛生委員会は労使の協議の場であるから、基本的に個人の健康情報を提示することは望ましくない。しかしながら、職場の人数が極端に少ない場合を除き、職場ごとに健康診断結果を集計するのであれば、個人の情報が特定される恐れは少ない。

そのため集計の結果を衛生委員会に提示し、労働衛生管理上の課題の抽出や改善策の検討のために活用することは不適切とは言えない。

(3)適切である。本肢は、不適切であるとする余地がない。就業上の措置を実施する上で、産業保健業務従事者以外の者が健康情報を取り扱わざるを得ない場合もあろう。その際に、就業上の措置を実施する上で必要最小限のものとなるようにすることが不適切なわけがない。

(4)適切である。本肢についても、不適切とする余地がない。なお、厚生労働省健康局の「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」に「糖尿病等の生活習慣病の予備群に対する保健指導」として、「保健指導の必要性ごとに「情報提供」「動機づけ支援」「積極的支援」に区分されるが、各保健指導プログラムの目標を明確化した上で、サービスを提供する必要がある」とされている。

(5)適切である。本肢は、不適切であるとする余地がない。事後措置により配置転換をする場合、新たな職務が本人にとって働きがいがあるよう配慮することが不適切なわけがない。

2022年12月08日執筆