労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生一般 問09

職場における熱中症予防




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和04年度) 問09 難易度 熱中症に関するごく初歩的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
職場の熱中症対策

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問9 職場における熱中症予防に関する次のイ~ホの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ ふく射とは、遠赤外線などにより離れた物体間で、熱エネルギーが伝わることをいう。

ロ WBGTは、湿球乾球温度である。

ハ 暑熱環境下の水分摂取は、口渇感を感じた時に始める。

ニ 熱中症の救急処置において、意識があっても自力で水分を摂取できない場合は、医療機関へ搬送する。

ホ 心拍数は、高温職場での作業を中止すべき労働者の健康状態の指標には含まれない。

(1)イ  ロ  ニ

(2)イ  ハ  ホ

(3)イ  ニ

(4)ロ  ハ

(5)ニ  ホ

正答(3)

【解説】

問9試験結果

試験解答状況
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イ 適切である。ふく射とは、遠赤外線などにより離れた物体問で、熱エネルギーが伝わることをいう。

ロ 適切ではない。WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)は、湿球黒球温度と訳される。

ハ 適切ではない。「職場における熱中症予防基本対策要綱」(令和3年4月 20 日基発 0420 第3号)の第2の2の(3)に「自覚症状以上に脱水状態が進行していることがあること等に留意の上、自覚症状の有無にかかわらず、水分及び塩分の作業前後の摂取及び作業中の定期的な摂取を指導する」とされている。

ニ 適切である。環境省「熱中症環境保健マニュアル 2022」に「自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法です」とされている。熱中症の救急処置において、意識があっても自力で水分を摂取できない場合は、医療機関へ搬送する。

ホ 適切ではない。ACGIHは、1分間の心拍数が数分間継続して(180マイナス年齢)を超える場合や、作業強度がピークに達した後1分間経過後の心拍数が120 以下に戻らない場合、暑熱ストレインが許容限界を超えたと判断し暑熱ばく露を中止するよう勧告している。

2022年12月08日執筆