労働衛生コンサルタント試験 2021年 労働衛生一般 問22

安全データシート(SDS)




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 このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2021年度(令和3年度) 問22 難易度 SDSに関するかなり高度な知識問題である。正答率も低かった。
SDS

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問22 「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」に基づく化学品の危険有害性情報の伝達における安全データシート(SDS)の記載項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)記載項目は化学品の名称、注意喚起語、絵表示、有害性情報、注意書き、供給者を特定する情報の6項日である。

(2)記載項目は順番通りに記載しなければならない。

(3)記載項目名を変更することは可能である。

(4)記載項目で、該当する情報が入手できない場合は空白でよい。

(5)記載項日に記載する内容の情報源を示さなければならない。

正答(2)

【解説】

問22試験結果

試験解答状況
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(1)誤り。本肢に示された記載事項は、SDSではなくラベルに関するものである。SDSの記載項目については、経産省と厚労省が共同で作成した小冊子「化管法・安衛法・毒劇法におけるラベル表示・SDS提供制度」を参照して頂きたい。

一度でも、化学物質管理のためにSDSに目を通して活用していれば、SDSの記載項目の数がこんなに少ないはずがないと気付けるだろう。

(2)正しい。日本国内では、JIS Z 7253:2019「GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル、作業場内の表示及び安全データシート(SDS)」が定められており、「SDSには,化学品について、次の16の項目及びその情報を記載する。これらの項目の番号、項目名及び順序を変更してはならない(下線強調は引用者)」としている。なお、(1)の解説で述べた「化管法・安衛法・毒劇法におけるラベル表示・SDS提供制度」においても、SDSについて「GHSにおいては、次の16項目の情報を、この順番どおりに記載することになっています」とされている。

(3)誤り。(2)に示した通り。

(4)誤り。JIS Z 7253:2019は「各項目は,空白にしてはならない。ただし,項目16“その他の情報”は,空白でもよい」としている。また、GHS 第6版A4.2.4.2では、「情報が入手できない場合または欠けている場合、このことをはっきりと記述すべきである。SDS はいかなる空欄も残すべきではない」とされている。

(5)誤り。JIS Z 7253:2019は「SDSでは,必ずしも情報源を示す必要はないが,情報源を示して,情報の信頼性を高めることが望ましい」としている。

ただし、GHS第6版 1.5.3.3.1では、「SDS は、関係する危険有害性を特定するのに用いられたデータを明確に記載するべきである」としていることに留意されたい。

2021年11月27日執筆