第2種衛生管理者試験 2023年4月公表 問26

血液(赤血球、白血球、血液型など)




問題文
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未来に向かって指さす女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2023年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2023年04月公表問題 問26 難易度 血液は過去の公表問題で頻出事項。過去問をかなりひねってあるが、過去問の範囲で正答可能な問題である。
血液循環

問26 血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)血液は、血漿しょうと有形成分から成り、有形成分は赤血球、白血球及び血小板から成る。

(2)血漿しょう中のたん白質のうち、グロブリンは血液浸透圧の維持に関与し、アルブミンは免疫物質の抗体を含む。

(3)血液中に占める血球(主に赤血球)の容積の割合をヘマトクリットといい、男性で約45%、女性で約40%である。

(4)血液の凝固は、血漿しょう中のフィブリノーゲンがフィブリンに変化し、赤血球などが絡みついて固まる現象である。

(5)ABO式血液型は、赤血球の血液型分類の一つで、A型の血清は抗B抗体を持つ。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。本肢は過去問に同種の問題がある。血液は、液体成分である血漿と、有形成分である血球(細胞成分:赤血球、白血球、血小板)からなっている。そして、血液の約 55 %血漿、残りの約 45 %は有形成分である。

(2)誤り。血漿しょう中のたん白質のうち、アルブミンは血液浸透圧の維持に関与し、グロブリンは免疫物質の抗体を含む。本肢は、アルブミンとグロブリンの説明が逆である。

なお、アルブミンが血液浸透圧の維持に関与していることは過去問(例えば2022年10月公表問題の問28など)に出題例がある。また、グロブリンは2021年10月公表問題の問28に、関係する出題の例がある。また、当サイトの衛生管理者試験掲示板にもご報告を頂いていた。

(3)正しい。本肢は、過去11回の公表問題に出題例はないが、当サイトの過去問(例えば2020年4月公表問題の問27など)の解説を読んでいれば分かる肢である。ヘマトクリットとは、厳密には血液中の全ての血球の体積の割合を示す数値であるが、(1)で述べたように血球の96%は赤血球なので、血液中に占める赤血球の容積の割合と考えてよい。ヘマトクリットの健康診断における基準値は男性では40~52%、女性では33~45%程度である。なお、貧血になるとその値は低くなる。

(4)正しい。本肢は過去問をかなりひねってあるが同種の出題例がある。血液の凝固反応とは、フィブリノーゲンがフィブリンに変化する現象である。フィブリノーゲンからフィブリン・モノマーが作られ、それが重合して繊維素となったものがフィブリンである。

(5)正しい。本肢は過去問に例がある。ABO式血液型は、赤血球(抗原)の検査と血清(抗体)の検査によって血液型を分類する。血清中には、A型は抗B、B型は抗A、O型は抗Aと抗Bの抗体を持つが、AB型はどちらの抗体も持たない。なお、赤血球上に、A型はA抗原、B型はB抗原、AB型はA抗原とB抗原を有し、O型はいずれの抗原もない。

2023年04月21日執筆