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問15 有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)有機溶剤は、水溶性と脂溶性を共に有し、その蒸気は空気より軽い。
(2)有機溶剤は、揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されることはない。
(3)網膜変化を伴う脳血管障害や精神障害を起こす有機溶剤として、二硫化炭素がある。
(4)N,N-ジメチルホルムアミドによる障害として顕著なものには、視力低下を伴う視神経障害がある。
(5)酢酸メチルによる健康障害では、再生不良性貧血などの造血器障害がみられる。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2026年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
| 2026年10月公表問題 | 問15 | 難易度 | 有機溶剤の物性と健康影響は必出事項で、内容も過去問に出題されたものを一部変形しただけである。 |
|---|---|---|---|
| 有機溶剤の物性等 | 3 |
問15 有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)有機溶剤は、水溶性と脂溶性を共に有し、その蒸気は空気より軽い。
(2)有機溶剤は、揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されることはない。
(3)網膜変化を伴う脳血管障害や精神障害を起こす有機溶剤として、二硫化炭素がある。
(4)N,N-ジメチルホルムアミドによる障害として顕著なものには、視力低下を伴う視神経障害がある。
(5)酢酸メチルによる健康障害では、再生不良性貧血などの造血器障害がみられる。
正答(3)
【解説】
本問は、過去問をかなりひねってある。(1)、(2)及び(4)は過去問そのままであるが、(3)はやや変形しており(5)は新規の肢である。
(1)誤り。一般に、有機溶剤は脂溶性を有し、水溶性を有しないものが多い。ただし、エタノール、メタノールなどはオクタノールよりも水に溶けやすいので留意すること。
また、その蒸気は空気より重い。このことは覚えておくこと。そのため、有機溶剤のセンサーは天井付近よりも床付近に設置することが多い。
(2)誤り。有機溶剤は、揮発性が高いため呼吸器から吸収されやすいが、皮膚から吸収されないわけではない。2015年の福井県の化学工場におけるo-トルイジンによる膀胱がんの発生事例は、経皮吸収によるものと考えられている。
クロロホルム、四塩化炭素、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、スチレン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンなどは経皮吸収の恐れがある。
なお、SDSでおなじみの「皮膚刺激性・皮膚腐食性」は皮膚そのものに影響することであり、「皮膚吸収のおそれ」とは別なことなので留意すること。
(3)正しい。二硫化炭素による健康障害としては、網膜変化を伴う脳血管障害や精神障害が知られている。なお、レーヨン工場で目の焼勺感や羞明を生じたとの事例や、興奮、情緒不安定、せん妄、幻覚、妄想、自殺願望等の症状がみられたとの報告がある。
(4)誤り。N,N-ジメチルホルムアミドは眼に対する刺激性があるが、視力低下を伴う視神経障害は確認されていない。なお、本物質は発がん性及び生殖毒性がある他、肝臓への障害、皮膚に対する刺激性などがあると考えられている。
(5)誤り。酢酸メチルによる健康障害では、視神経の障害が知られているが、再生不良性貧血などの造血器障害がみられるとする報告はない。





