第1種衛生管理者試験 2026年10月公表 問16

作業環境における有害要因による健康障害

問題文

学習する男性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2026年10月公表問題 問16 難易度 過去に類似の出題例は多い。ほぼ過去問の学習で正答可能。正答できる必要がある。
作業環境中の有害要因 3

問16 作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)電離放射線による中枢神経系障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量の増加に応じて増加する。

(2)金属熱は、鉄、アルミニウムなどの金属を溶融する作業などに長時間従事した際に、高温環境により体温調節機能が障害を受けることにより発生する。

(3)潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。

(4)通信などに利用されるマイクロ波は、赤外線より波長が長い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用がある。

(5)凍瘡そうは、皮膚組織の凍結壊え死を伴うしもやけのことで、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生する。

正答(4)

【解説】

(1)誤り。電離放射線による健康への影響は、確定的影響と確率的影響に分けられる。確定的影響では、線量が大きいほど障害の程度が重篤となり、しきい値がある。一方、確率的影響では、線量が大きいほど障害に罹患する確率が高くなり、しきい値がないと考えられている。また、被爆から発症までが数週間までのものを急性影響と呼び、数か月以上のものを挽発性影響と呼ぶ。受験対策としては、急性影響、白内障及び不妊が確定的影響で、他は確率的影響だと覚えておけばよい。

そして、電離放射線による中枢神経系障害は、放射線による急性障害の中でもっとも重篤な影響に分類されており、数十グレイ以上の高線量を短時間内に被ばくした場合に発生する。急性障害であり、確定的影響に分類される。

(2)誤り。金属熱は、金属熱は、鉄、アルミニウムなどの金属を溶融する作業などで金属のヒュームを吸入することにより発生し、悪寒、発熱、関節痛などの症状がみられる。金属熱は、高温環境により体温調節機能が障害を受けることにより発生するものではない。

(3)誤り。潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた窒素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。「酸素」とする本肢は誤っている。

(4)正しい。文献によって定義は異なるが、マイクロ波は電磁波であり、その波長は1mm ~1m 程度、赤外線は 700nm ~ 1mm 程度で、マイクロ波の方が波長は長い。

また、照射部位の組織を加熱する作用もある。強力なマイクロ波は眼球の水晶体の温度を上げるため白内障を発症するリスクがあり、労基則別表第1の2には「マイクロ波にさらされる業務による白内障等の眼疾患」が挙げられている。

(5)誤り。凍瘡とは、普通の「しもやけ」のことである。氷点下のような極寒条件よりも、気温5℃前後の環境や、昼夜の気温差が激しいときなどに起こる。

2026年10月03日執筆