第1種衛生管理者試験 2026年04月公表 問13

有機溶剤による健康障害、有機溶剤の物性等

問題文

学習する女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

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2026年04月公表問題 問13 難易度 有機溶剤の物性と健康影響は必出事項で、内容も過去問に出題されたものを一部変形しただけである。
有機溶剤の物性等

問13 有機溶剤に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)有機溶剤は、一般に揮発性が高く、その蒸気は空気より軽い。

(2)有機溶剤は、脂溶性が低いため、脂肪の多い脳などには入りにくい。

(3)メタノールによる障害として顕著なものには、網膜の微細動脈りゅうを伴う脳血管障害がある。

(4)二硫化炭素は、精神障害や意識障害を起こすことがある。

(5)N,N-ジメチルホルムアミドによる障害として顕著なものには、視力低下を伴う視神経障害がある。

正答(4)

【解説】

本問は、過去問をややひねってあるが、過去問をほぼそのまま流用している。過去問の学習で正答できる内容である。

(1)誤り。本肢は、過去問に出題された肢をやや変形している。有機溶剤の多くは、揮発性が高く、その蒸気は空気より重い。このため、地下室やピットなどの通気が不十分な場所では滞留しやすい。

そのため、有機溶剤のセンサは天井よりも床につける方がよく、局所排気装置は上方吸引より下方吸引の方が効率的である。

(2)誤り。有機溶剤の2大特性に、脂溶性(※)と揮発性があり、脂溶性はすべての有機溶剤が多かれ少なかれ有している。そのため、脂肪の多い脳などに蓄積されやすい。

※ 脂溶性とは油脂に溶ける性質のことである。例えば、山内直人他「慢性有機溶剤乱用による脳障害」(精神保健研究 No.40 1994 年)によれば「。有機溶剤はすべて脂溶性であ(る)」とされている。

(5)誤り。メタノールによる健康障害として顕著なものは、眼に対する重篤な損傷、中枢神経系への影響、麻酔作用などである。

網膜細動脈りゅうは高血圧のある場合に生じるおそれがある疾病である。脳血管障害もどちらかといえば生活習慣病である。

(4)正しい。二硫化炭素は躁うつ病、多発性神経障害、神経衰弱等を発症させることが知られている。。

(5)誤り。N,N-ジメチルホルムアミドは眼に対する刺激性があるが、視力低下を伴う視神経障害は確認されていない。なお、本物質は発がん性及び生殖毒性がある他、肝臓への障害、皮膚に対する刺激性などがあると考えられている。

2026年07月17日執筆