労働安全コンサルタント試験 2022年 産業安全一般 問26

労働衛生の3管理に該当するもの




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2022年度(令和04年度) 問26 難易度 労働衛生の3管理は過去に出題例がある。難易度は高いが、合否を分けるのはこういう問題である。
労働衛生管理

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問26 事業場における労働衛生に関する取組内容とその取組が該当する労働衛生管理の種類(作業環境管理、作業管理又は健康管理)に関する下表のA~Dの組合せについて、適切なものを挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

労働衛生に関する取組内容 労働衛生管理の種類
粉じん業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた者を配置転換する。 健康管理
有機溶剤を使用する塗料を、有害性の低い水性塗料に変更する。 作業管理
放射線業務従事者の管理区域内において受ける外部被ばくによる個人被ばく線量を測定する。 作業環境管理
情報機器作業に従事する労働者の作業時間、作業休止時間などを適切に管理する。 作業管理

(1)A  B

(2)A  C

(3)A  D

(4)B  D

(5)C  D

正答(3)

【解説】

問26試験結果

試験解答状況
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衛生管理の3要素の見分け方については、安全コンサルタント試験でも、2015年問26で出題されている。過去問で1回だけの出題について学習することは難しいかもしれないが、過去問をきちんと理解するようにしておけば、確実に正答できた問題である。

本問の受験生の解答状況を見ると、ほとんどの方がDは正しいと分かったようである。その上で、A、B、Cのいずれが正しいかで迷ったようだ。Cを適切だと判断した方は、「測定」という言葉に惑わされたようだが、個人ばく露測定は、(教科書的には)作業管理なのである。

具体的な解法については、「労働衛生3管理の見分け方」を参照して頂きたい。以下、これを参照して頂いたことを前提に解説する。

A 適切である。粉じん業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた者を配置転換するのは、健康診断の結果に基づいて健康のために必要な措置をとっているのである。従って健康管理である。

B 適切ではない。有機溶剤を使用する塗料を、有害性の低い水性塗料に変更するのは、作業者がいなくても行うことができる。従って、作業環境管理である。

C 適切ではない。放射線業務従事者の管理区域内において受ける外部被ばくによるばく線量を測定するのは、個人ばく露測定である。個人ばく露測定は、作業者がいないと実施できないので、作業管理となると覚えておく。

D 適切である。情報機器作業立議事する労働者の作業時間、作業休止時間などを適切に管理するのは、作業者がいなければ実施することは不可能である。従って、作業管理となる。

2022年12月05日執筆