労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全一般 問13

作業手順書




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合格

 このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問13 難易度 作業手順書に関するごく常識的な問題である。確実に正答できなければならない問題である。
作業手順書

問13 作業手順書に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)作業手順書は、単位作業又は要素作業ごとに使用材料、使用設備、使用治工具、個々の作業者が行うべき動作、作業上の注意事項などを規定したものである。

(2)作業手順書は、その本体作業の手順を示すものであるので、準備作業や後始末作業の手順は対象としない。

(3)作業手順書には、過去の災害事例やヒヤリハット事例の原因に対応した安全の要点を記入しておく。

(4)作業手順書の作成に際しては、安全の確保のみを強調しても、その作業手順による作業能率が低いと現場で使用されないことがあるので、作業の能率にも留意する必要がある。

(5)作業手順書を守らせるために、決められた設備、材料、保護具などを使用して作業手順書どおりに作業できているか定期的にチェックする。

正答(2)

【解説】

この問題も、常識問題と言ってよいだろう。

(1)適切である。作業手順書とは、単位作業又は要素作業ごとに使用材料、使用設備、使用治工具、個々の作業者が行うべき動作、作業上の注意事項などを規定したものである。

(2)適切ではない。作業手順書は、準備作業や後始末作業の手順も対象とするべきである。準備作業や後始末を自己流で行ってしまうと、その作業や後の作業が適切に行えなくなることがあるからである。

(3)適切である。作業手順書に安全の要点を記入しておくことは当然であるし、その要点を過去の災害事例やヒヤリハット事例の原因に対応させることが不適切なわけがないだろう。

(4)適切である。安全の確保だけを主眼において、作業の能率が低下してしまうと現場で使用されなくなる。作業の能率に留意しなければ机上の空論になってしまう。

(5)適切である。PDCAのCの部分を行わなければ、「作っただけ」の作業手順書になってしまう。守られているかどうかをチェックして、守られていなければその原因を調査・分析して、改善を図るべきである。

2020年01月03日執筆