労働安全コンサルタント試験 2018年 産業安全一般 問05

信頼性ブロック線図




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問05 難易度 信頼性ブロック線図は頻出問題。基本的な知識で正答できる。確実に正答できなければならない。
信頼性ブロック線図

問5 下図の信頼性ブロック線図に示すように、システム①、②及び③が要素a及びbから構成されている。また、同じ要素を用いたシステムについて、要素の故障とシステムの故障との論理関係が下図のANDゲートを用いたFT(Fault Tree)及びORゲートを用いたFTにより示されている。

この図に関する(1)~(5)の記述のうち、適切なものはどれか。

ただし、要素の故障は独立に起こるものとする。

[信頼性ブロック線図]

block block block
システム① システム② システム③

[FT]

block block
ANDゲートを用いたFT ORゲートを用いたFT

(1)システム①は、ANDゲートを用いたFTと等価である。

(2)システム①は、ORゲートを用いたFTと等価である。

(3)システム②は、ANDゲートを用いたFTと等価である。

(4)システム②は、ORゲートを用いたFTと等価である。

(5)システム③は、ANDゲートを用いたFTと等価である。

正答(3)

【解説】

一見、ややこしい問題に見えるが、実際に解いてみると、“信頼性ブロック線図の意味”と“ANDゲート、ORゲートの意味”さえ分かっていれば、ごく簡単な問題なのである。

とにかく、こんな単純な問題で、ええとFとRの関係は・・・などと、混乱しないことである。

システム②は、aブロックとbブロックの両方のスイッチが開(故障)にならない限り、全体として左右が接続されている。つまり、その双方が故障しない限り使用可能なので、ANDゲートを用いたFTと等価である。ただそれだけのことである。

従って(3)が正答となる。

[信頼性ブロック図とは]

信頼性ブロック図のそれぞれの要素は、内部にスイッチが入っており普段は閉じている(左右が接続されている)が、故障すると開になる(左右が接続されなくなる)ものだと思えばよい。そして、全体のシステムは、左右がどこか一か所ででも接続されてさえいれば使用可能だと考えるのである。

信頼性ブロック図とは、そういうものである。「この問題は故障の話をしているので、逆だ」などと思わないことである。

[ANDゲート、ORゲートとは]

ANDゲートとは入力のすべてに信号が入ると出力に信号が現れる素子であり、ORゲートとは入力のどれかひとつに信号が入ると出力に信号が現れる素子である。

2018年10月27日執筆 2020年02月08日修正