労働安全コンサルタント試験 2018年 産業安全一般 問04

建設工事に使用される設備、構造物等




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問04 難易度 建設業工事の設備等に関する基本的な知識を問う問題。確実に正答できなければならない問題だろう。
建設工事の設備、構造物

問4 建設工事に使用される設備、構造物などの安全に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

(1)わく組構造部の外側空間を昇降路とする構造の移動式足場を使用する作業において、足場の転倒を防止するため、同一面より同時に昇降できる人数を2名までとした。

(2)くさび緊結式足場において、昇降設備として、足場の2層ごとに踊り場を有する専用の昇降階段を設置し、昇降階段及びその開口部に手すりと中さんを取り付けた。

(3)小規模な溝掘削を行うため、土止め支保工を先行して設置することとし、ドラグショベルを使用して矢板を打ち込む場合に、十分な衝撃力が得られるよう、バケットによる打撃で行った。

(4)パイプサポートを支柱とする高さ4メートルの型枠支保工において、室内で風などの水平荷重が想定されなかったので、水平つなぎと斜材の設置を省略した。

(5)わく組足場において、メッシュシートを、足場の水平開口部に、シート縁部のはとめを利用して水平に張って、墜落防止用の安全ネットとして使用した。

正答(2)

【解説】

(1)適切ではない。「移動式足場の安全基準に関する技術上の指針」(昭和50年10月18日技術上の指針公示第6号)の4-4-5には、「わく組構造部の外側空間を昇降路とする構造の移動式足場にあっては、転倒を防止するため、同一面より同時に2名以上の者が昇降しないこと」とある。2名まで昇降できるとする本肢の記述は適切ではない。

(2)適切である。本肢の記述は、仮説工業会「くさび緊結式足場の組立て及び使用に関する技術基準」(2014年)の「(15)昇降階段」の記述に適合している。従って本肢は適切であるというべきであろう。

【仮説工業会「くさび緊結式足場の組立て及び使用に関する技術基準」】

(15)昇降階段

   昇降階段の設置は次によること。

 2層以下毎に踊り場を設ける。

 昇降階段及びその開口部には手すり及び中さんを設ける。

(3)適切ではない。本肢の作業はドラグ・ショベルの用途外使用に当たる。ドラグ・ショベルによる矢板を撃ち込む作業では災害発生事例もあり、安衛則第164条第2項第2号の要件に該当するとは考えられない。

【労働安全衛生規則】

(主たる用途以外の使用の制限)

第164条 事業者は、車両系建設機械を、パワー・ショベルによる荷のつり上げ、クラムシェルによる労働者の昇降等当該車両系建設機械の主たる用途以外の用途に使用してはならない。

 前項の規定は、次のいずれかに該当する場合には適用しない。

 (略)

 荷のつり上げの作業以外の作業を行う場合であって、労働者に危険を及ぼすおそれのないとき。

 (略)

(4)適切ではない。安衛則第242条第8号ハの規定により、パイプサポートを支柱として用いる型枠支保工は、高さ二メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止しなければならない。

【労働安全衛生規則】

第242条 事業者は、型枠支保工については、次に定めるところによらなければならない。

一~五 (略)

 鋼管(パイプサポートを除く。以下この条において同じ。)を支柱として用いるものにあっては、当該鋼管の部分について次に定めるところによること。

 高さ二メートル以内ごとに水平つなぎを二方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。

 (略)

 パイプサポートを支柱として用いるものにあっては、当該パイプサポートの部分について次に定めるところによること。

イ及びロ (略)

 高さが三・五メートルを超えるときは、前号イに定める措置を講ずること。

 (以下略)

(5)適切ではない。平成21年4月24日基発第0424001号「『手すり先行工法に関するガイドライン』について」に「別紙2 働きやすい安心感のある足場に関する基準」が添付されており、その「別表6 メッシュシートの使用方法」の「3 使用上の注意」に、「メッシュシートは、水平に張って使用する墜落防止用の安全ネットとして使用しないこと」とされている。

2018年10月27日執筆 2020年02月08日修正