労働安全コンサルタント試験 2012年 産業安全関係法令 問04

港湾荷役作業における労働災害防止

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 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2012年度(平成24年度) 問04 難易度 港湾荷役作業に関する基本的な知識問題。やや詳細な内容の肢もあるが、正答しておきたい問題。
港湾荷役作業

問4 港湾荷役作業における労働災害を防止するため事業者が講じた措置に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、違反となるものはどれか。

(1)船舶に荷を積む作業を行うときに、照明設備を設け、100ルクスの照度を保持するようにした。

(2)揚貨装置を用いて船舶に荷を積む作業を行うときに、荷をつった状態であったので、ブレーキをかけ、かつ、原動機を止めさせたうえで、揚貨装置の運転者を作業位置から離れさせた。

(3)船倉の内部のばら物の小麦の荷を卸す作業を行うときに、シフチングボード等の当該荷の移動を防止するための隔壁を取りはずさせてから作業を行わせた。

(4)揚貨装置を用いて、船倉の内部でハッチの直下以外の場所にある荷を巻き上げる作業を行うときに、あらかじめ、巻出索を使用して荷をハッチの直下に移させてから行わせた。

(5)揚貨装置を用いて、ドラム缶の荷の巻上げの作業を行うときに、ドラムスリングを使用させた。

正答(2)

【解説】

(1)違反とはならない。船舶に荷を積む作業を行うときは安衛則第454条の規定により、必要な照度を確保しなければならない。100ルクスの照度が同条の「必要な照度」といえるかについては問題であるが、同規則第604条は粗な作業については75ルクス以上としていることから、違反にはならないものと考えられる。

【労働安全衛生規則】

(照度の保持)

第454条 事業者は、港湾荷役作業(船舶に荷を積み、船舶から荷を卸し、又は船舶において荷を移動させる作業をいう。以下同じ。)を行なうときは、当該作業を安全に行なうため必要な照度を保持しなければならない。

(照度)

第604条 事業者は、労働者を常時就業させる場所の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。ただし、感光材料を取り扱う作業場、坑内の作業場その他特殊な作業を行なう作業場については、この限りでない。

作業の区分 基準
精密な作業 三百ルクス以上
普通の作業 百五十ルクス以上
粗な作業 七十ルクス以上

※ ほぼ同様な内容の事務所則第10条は、2022年9月1日改正予定。

(2)違反となる。安衛則第468条の規定により、荷をつった状態のままで運転者を作業位置から離れさせてはならない。このことは、ブレーキをかけ、かつ、原動機を止めさせても同じである。

【労働安全衛生規則】

(作業位置からの離脱の禁止)

第468条 事業者は、揚貨装置の運転者を荷をつつたまま作業位置から離れさせてはならない。

 (略)

(3)違反とはならない。船倉の内部のばら物の小麦の荷を卸す作業を行うときに、シフチングボード等の当該荷の移動を防止するための隔壁を取りはずしたというのであるから、安衛則第457条に抵触することはない。

【労働安全衛生規則】

(シフチングボード等の取りはずしの確認)

第457条 事業者は、船倉の内部の小麦、大豆、とうもろこし等ばら物の荷を卸す作業を行なう場合において、シフチングボード、フイーダボツクス等荷の移動を防止するための隔壁が倒壊し又は落下することにより、当該作業に従事する労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、当該隔壁が取りはずされた後でなければ、当該作業に労働者を従事させてはならない。

(4)違反とはならない。揚貨装置を用いて、船倉の内部でハッチの直下以外の場所にある荷を巻き上げる作業を行うときに、あらかじめ、巻出索を使用して荷をハッチの直下に移させてから行わせたというのであるから、安衛則第459条に抵触することはない。

【労働安全衛生規則】

(巻出索の使用等)

第459条 事業者は、揚貨装置等を用いて、船倉の内部の荷で、ハツチの直下にあるもの以外のものを巻き上げる作業を行なうときは、巻出索を使用する等により、あらかじめ、当該荷をハツチの直下に移してから行なわなければならない。

(5)違反とはならない。揚貨装置を用いて、ドラム缶の荷の巻上げの作業を行うときに、ドラムスリングを使用させたというのであるから、安衛則第462条に適合している。

【労働安全衛生規則】

(フツク付きスリングの使用)

第462条 事業者は、揚貨装置等を用いて、フツク付きスリングによりドラムかん、たる等の荷の巻上げの作業を行なうときは、ドラムスリングその他当該荷がはずれるおそれのない構造のフツク付きスリングを使用しなければならない。

2021年12月02日執筆