労働安全コンサルタント試験 2012年 産業安全一般 問21

危険物による危険性

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 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2012年度(平成24年度) 問21 難易度 個別の危険物についてのやや高度な知識問題である。確実な合格のためには正答しておきたい。
危険物による危険性

問21 危険物に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)トリクロロシランは、水と反応すると塩化水素を発生しながら発熟し、発火する危険性がある。

(2)ジエチルエーテルは、空気と長時間接触すると過酸化物を生じ、加熱、衝撃等により爆発する危険性がある。

(3)過マンガン酸カリウムは強酸化剤であり、硫酸を加えても爆発することはないが、可燃物と混合すると爆発する危険性がある。

(4)ベンゼンは揮発性が高く、固化したものであっても引火する危険性がある。

(5)メチルエチルケトンパーオキサイドは、鉄さび等に接触すると30℃以下でも分解し、また容器を密栓すると内圧が上昇して分解を促進する危険性がある。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。トリクロロシランは、水、強酸化剤、強酸及び塩基と 激しく反応し、塩化水素を生じる。これは発熱反応であり、発火する危険性がある(※)

※ 岩崎史哲「トリクロロシラン」(有機合成化学協会誌 Vol.59 No.10 2001年)など参照。

(2)正しい。ジエチルエーテルは、空気と長時間接触すると爆発性の過酸化物を生じ、加熱、衝撃等により爆発する危険性がある。

(3)誤り。過マンガン酸カリウムは強力な酸化剤であり、濃硫酸と作用すると爆発の恐れがある。なお、可燃性物質や還元性物質と反応すると火災や爆発の危険性がある。

(4)正しい。ベンゼンは揮発性が高く、引火性の高い液体である。固化したものであっても引火する危険性がある。

(5)正しい。メチルエチルケトンパーオキサイド(メチルエチルケトンペルオキシド)は、酸化鉄等と接触すると30℃以下でも分解する(※)。容器を密栓すると内圧が上昇して分解を促進するので、分解を促進しないように、容器を密栓しないで保存する。

※ 幅道雄「有機過酸化物の火災事故例の推移と分析」(安全工学 Vol.41 No.3 2002年)、高見治樹他「メチルエチルケトンパーオキサイドの燃焼性状について」(消防科学研究所報 Vol.18 1981年)など参照。

2021年12月16日執筆