労働安全コンサルタント試験 2012年 産業安全一般 問07

産業用ロボットの安全

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合格

 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2012年度(平成24年度) 問07 難易度 建設機械の安全に関する基本的な知識問題である。確実に正答できる必要がある。
産業用ロボット

問7 産業用ロボットの安全に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)産業用ロボットに自由に接近できるようにするためには、人間に危害を与えられない程度にロボットの出力を抑える等の本質安全化対策を行うようにする。

(2)産業用ロボットを教示モードに切り替えたときには、ロボットの動作速度が自動的に低下するようにする。

(3)産業用ロボットの操作において、可搬式操作盤を用いる場合に、主制御装置である固定式操作盤における操作が、可搬式操作盤より優先するようにする。

(4)産業用ロボットの動きが止まっていても、電源が入っているときにはロボットに接近しないようにする。

(5)産業用ロボットの作業時には、ロボットと人間を柵等で分離するようにする。

正答(3)

【解説】

本問は、「産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上の指針」(昭和58年9月1日技術上の指針公示第13号=以下本条の解説において「指針」という。)などに関する問題である。

(1)適切である。本質安全化は、産業用ロボットに限らず、すべての産業用機械設備の安全の基本である。

なお、JIS B 8433-1:2007の「5.10.5 本質的設計による動力及び力の制限」は「ロボットは、メカニカルインタフェース又は TCP において最大動力 80 W,又は最大静的力 150 N(リスクアセスメントに基づいていずれかを決める)を保証するように設計しなければならない。ロボットの設計は、これらの値を超えないことを保証しなければならない」としている。

厚生労働省「機能安全活用実践マニュアルロボットシステム編」は「コ 安全関連制御システムの性能(ハードウェア及びソフトウェア)」において「安全関連制御システム(電気、液圧、空気圧及びソフトウェア)は、リスクアセスメントの結果によって下記 4)に示す代替の性能基準が適切であると決定しない限り、下記 3)に掲げる性能基準に適合しなければならない」として、3)において、上記JISを引用している。

(2)適切である。指針「2 選定」の「2-1-2 安全機能」の(1)のイに「運転状態を教示の状態に切り替えた場合に、マニプレータの作動速度が自動的に低下すること」とされている。

(3)適切ではない。指針「(3)可搬型操作盤」のイには「可搬型操作盤により産業用ロボットを操作している間は、当該操作盤以外の機器により当該作業用ロボットの操作(非常停止装置の操作を除く。)を行うことができない構造のものであること」とされている。

常識的に考えても、可搬式操作盤を用いて産業用ロボットの操作を行っているときに、第三者が主制御装置である固定式操作盤で優先して操作されれば(非常時を除き)危険であろう。

(4)適切である。産業用ロボットに限らず自動機械は、動きが止まっていても、材料が供給されることなどにより突然動き出すことがある。電源が入っているときにはロボットに接近してはならない。

(5)適切である。安衛則第150条の4は、原則として「当該産業用ロボツトに接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、さく又は囲いを設ける等当該危険を防止するために必要な措置を講じなければならない」としている。

【労働安全衛生規則】

(運転中の危険の防止)

第150条の4 事業者は、産業用ロボツトを運転する場合(教示等のために産業用ロボツトを運転する場合及び産業用ロボツトの運転中に次条に規定する作業を行わなければならない場合において産業用ロボツトを運転するときを除く。)において、当該産業用ロボツトに接触することにより労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、さく又は囲いを設ける等当該危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。

2021年12月08日執筆