労働安全コンサルタント試験 2012年 産業安全一般 問04

金属材料の強度試験と強度特性

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 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2012年度(平成24年度) 問04 難易度 金属材料の強度試験結果に関する知識問題であるが、言葉の意味から正答可能な問題である。
金属材料の強度試験

問4 金属材料の強度試験結果を示した図a~図dと、それに対応する材料の強度特性を組み合わせた次の(1)~(5)のうち、適切なものはどれか。

図a 図a

図b 図b

図c 図c

図d 図d

    図a    図b    図c    図d
(1) 腐食強度    疲労強度    引張強度    衝撃強度
(2) 疲労強度    衝撃強度    引張強度    高温強度
(3) 衝撃強度    疲労強度    高温強度    引張強度
(4) 疲労強度    腐食強度    高温強度    引張強度
(5) 腐食強度    衝撃強度    引張強度    高温強度

 スマホの場合、図はデバイスを横向きにするかピンチアウトで拡大できます。

正答(2)

【解説】

本問は、図aの横軸に「繰返し数」とあることから疲労強度であることは分かるだろう。また、図cが引張強度であることは分からなければならない。そして、この2つが分かれば、正答できる問題である。

1 疲労強度

金属材料等に小さな亀裂があると、材料全体としては許容範囲内の応力を加えても、亀裂の部分に応力が集中して許容範囲を超える応力が局所的に発生し、わずかに亀裂が拡大することがある。このような応力が繰り返し加えられると、亀裂の拡大が徐々に進んで、最終的には材料全体の破壊に至る。これが疲労破壊である。

図aが疲労強度であることは、疲労強度の意味が分かっていれば正答できるだろう。この図は疲労破壊に関する様々な文献に現れる。例えば、中村(※)の図4に炭素鋼及びアルミ合金のS-N曲線が示されている。

※ 中村孝「金属疲労の基礎知識」(鋳造工学 Vol.79 No.2 2007年)

2 衝撃強度

図bは横軸のタイトルが書かれていないが、温度を示している。この図はエネルギー遷移温度及び破面遷移温度と、シャルピー吸収エネルギー及び脆性破面率の関係を表した図である。

具体的には、シャルピー衝撃試験の強度特性を表した図である。なお、詳しくはシャルピー衝撃試験についての関連資料、例えば表他(※)などを参照されたい。

※ 表真也他「低温下における経年鋼材の脆性破壊に関する検討」(寒地土木研究所月報 No.700 2011年)

3 引張強度

図cはよく知られている図である。鋼材の引張試験特性である。「CAEと強度計算の森」の「応力-ひずみ線図,延性材料と脆性材料」に分かりやすい説明が載っている。

4 高温強度

図dは、労働安全コンサルタント試験でよく問われているクリープ試験についてのデータである。おそらく、木村(※)から引用した図である。

※ 木村一弘「耐熱鋼のクリープ破断寿命予測」(日本金属学会誌 Vol.73 No.5 2009年)

2021年12月08日執筆