労働衛生コンサルタント試験 2023年 労働衛生関係法令 問04

安全衛生教育




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 このページは、2023年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2023年度(令和5年度) 問04 難易度 やや細かいことを問うているが正答率は高い。どれだけ学習に時間をかけたかによって差がつく問題。
安全衛生教育

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問4 安全衛生教育に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。

ただし、特別教育とは、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者を就かせるときに行う当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育をいうものとする。

(1)事業者が労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときに行う教育の事項には、事故時等における応急措置及び退避に関することが含まれる。

(2)職長教育には、作業方法の決定及び労働者の配置に関すること、労働者に対する指導又は監督の方法に関することのほか、労働災害を防止するため必要な事項として、労働災害防止についての関心の保持及び労働者の創意工夫を引き出す方法が含まれる。

(3)高圧室内作業に係る業務は特別教育の対象であるが、再圧室を操作する業務は特別教育の対象ではない。

(4)強烈な騒音を発する作業に係る業務や重量物を取り扱う作業に係る業務は、特別教育の対象ではない。

(5)事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。

正答(3)

【解説】

問4試験結果

試験解答状況
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(1)正しい。事業者が労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときに行う教育の事項には、安衛則第35条(第七号)により事故時等における応急措置及び退避に関することが含まれる。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

2及び3 (略)

【労働安全衛生規則】

(雇入れ時等の教育)

第35条 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。

一~六 (略)

 事故時等における応急措置及び退避に関すること。

 (略)

 (略)

※ 安衛則第 35 条第1項は、本問出題当時は以下のように、但書に一部業種について省略できる旨の規定があった。2024年(令和6年)4月1日より、上記のように但書が削除されて省略に関する規定はなくなっている。

(雇入れ時等の教育)

第35条 事業者は、労働者を雇い入れ、又は労働者の作業内容を変更したときは、当該労働者に対し、遅滞なく、次の事項のうち当該労働者が従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項について、教育を行なわなければならない。ただし、令第二条第三号に掲げる業種の事業場の労働者については、第一号から第四号までの事項についての教育を省略することができる

一~八 (変更なし)

 (変更なし)

(2)正しい。安衛法第60条には、職長教育の項目として、「作業方法の決定及び労働者の配置に関すること」及び「労働者に対する指導又は監督の方法に関すること」が定められている。また、安衛則第40条第2項には、労働災害を防止するため必要な事項として、「労働災害防止についての関心の保持及び労働者の創意工夫を引き出す方法」が明示されている。

【労働安全衛生法】

第60条 事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなつた職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。

 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。

 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの

【労働安全衛生規則】

(職長等の教育)

第40条 法第六十条第三号の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

一及び二 (略)

 その他現場監督者として行うべき労働災害防止活動に関すること。

 法第六十条の安全又は衛生のための教育は、次の表の上欄に掲げる事項について、同表の下欄に掲げる時間以上行わなければならないものとする。

事項 時間
(略) (略)

前項第三号に掲げる事項

一 作業に係る設備及び作業場所の保守管理の方法

二 労働災害防止についての関心の保持及び労働者の創意工夫を引き出す方法

二時間

 (略)

(3)誤り。安衛則第36条(第二十四号)に「再圧室を操作する業務」が定められている。なお、「高圧室内作業に係る業務」が特別教育の対象であることは正しい。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 (第1項及び第2項 略)

 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

【労働安全衛生規則】

(特別教育を必要とする業務)

第36条 法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。

一~二十三 (略)

二十四 再圧室を操作する業務

二十四の二 高圧室内作業に係る業務

二十五~四十一 (略)

(4)正しい。安衛則第 36 条には「強烈な騒音を発する作業に係る業務や重量物を取り扱う作業に係る業務」は、定められていない。

なお、本肢に示された2つの業務は、500人以上の労働者を従事させる場合に、産業医を専属とする必要があるものである。

【労働安全衛生規則】

(産業医の選任等)

第13条 法第十三条第一項の規定による産業医の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。

一及び二 (略)

 常時千人以上の労働者を使用する事業場又は次に掲げる業務に常時五百人以上の労働者を従事させる事業場にあつては、その事業場に専属の者を選任すること。

イ~ヘ (略)

 重量物の取扱い等重激な業務

 ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務

リ~カ (略)

 (略)

2~4 (略)

(5)正しい。安衛法第 60 条の2により、事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。

【労働安全衛生法】

第60条の2 事業者は、前2条に定めるもののほか、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。

2及び3 (略)

2023年11月30日執筆