労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生関係法令 問03

安全衛生教育




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 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和4年度) 問03 難易度 安全衛生教育に関する基本的な知識問題である。合否を分けたレベルか。
安全衛生教育

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問3 安全衛生教育に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

(1)自動車整備業の事業者は、作業中の労働者を直接指導し、監督する職務に新たに就くこととなった職長及び作業主任者に対し、職長等の教育を実施しなければならない。

(2)事業者は、鉛装置の破砕、溶接、溶断又は切断の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する特別教育を行わなければならない。

(3)事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に従事する労働者に対し特別教育を実施するときは、救急そ生及び酸素濃度の測定についての実技教育を行わなければならない。

(4)事業者は、潜水業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する特別教育を行わなければならない。

(5)事業者は、特別教育を行ったときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを3年間保存しておかなければならない。

正答(5)

【解説】

問3試験結果

試験解答状況
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本問も、特別教育の対象を記憶しておくことで正答できる問題である。正答率は高かった。

(1)誤り。安衛法第60条による職長等の教育は、作業主任者に対して行う必要はない。

【労働安全衛生法】

第60条 事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなつた職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

一~三 (略)

(2)誤り。鉛作業は安衛則第36条に定められていない。特定化学物質、有機溶剤及び鉛については、特別教育の定めはないことは覚えておいた方がよい。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 (第1項及び第2項 略)

 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

【労働安全衛生規則】

(特別教育を必要とする業務)

第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。

一~四十一 (略)

(3)誤り。酸欠則第12条に、救急そ生の方法は定められているが、酸素濃度の測定は定められていない。酸素濃度の測定は作業主任者の行うことである。

【酸素欠乏症等防止規則】

(特別の教育)

第12条 事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について特別の教育を行わなければならない。

 酸素欠乏の発生の原因

 酸素欠乏症の症状

 空気呼吸器等の使用の方法

 事故の場合の退避及び救急そ生の方法

 前各号に掲げるもののほか、酸素欠乏症の防止に関し必要な事項

2及び3 (略)

(4)誤り。潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務は特別教育の対象だが、潜水作業そのものは特別教育の対象ではない。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 (第1項及び第2項 略)

 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

【労働安全衛生規則】

(特別教育を必要とする業務)

第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。

一~二十二 (略)

二十三 潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務

二十四~四十一 (略)

(5)正しい。安衛則第38条により、特別教育を行ったときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを3年間保存しておかなければならない。

【労働安全衛生法】

(書類の保存等)

第103条 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律又はこれに基づく命令の規定に基づいて作成した書類(次項及び第三項の帳簿を除く。)を、保存しなければならない。

2及び3 (略)

【労働安全衛生規則】

(特別教育の記録の保存)

第38条 事業者は、特別教育を行なつたときは、当該特別教育の受講者、科目等の記録を作成して、これを三年間保存しておかなければならない。

2022年11月26日執筆