労働衛生コンサルタント試験 2020年 労働衛生一般 問22

GHSによるラベルへの表示事項




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 このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和2年度) 問22 難易度 GHSラベルの表示事項が直接出題される出題例は少ないが、基本事項。正答できなければならない。
GHSラベルの表示事項

問22 「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)」に基づく化学品のラベルに記載する事項でないものは、次のうちどれか。

(1)化学物質又は製品の名称

(2)注意喚起語

(3)貯蔵又は取り扱い上の注意

(4)標章(絵表示)

(5)適用される法令

正答(5)

【解説】

本問は、2017年の労働衛生法令問13のロを学習したときに、法条文をきちんと覚えておけば正答できる問題である。

【労働安全衛生法】

(表示等)

第57条 爆発性の物、発火性の物、引火性の物その他の労働者に危険を生ずるおそれのある物若しくはベンゼン、ベンゼンを含有する製剤その他の労働者に健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は前条第一項の物を容器に入れ、又は包装して、譲渡し、又は提供する者は、厚生労働省令で定めるところにより、その容器又は包装(容器に入れ、かつ、包装して、譲渡し、又は提供するときにあつては、その容器)に次に掲げるものを表示しなければならない。ただし、その容器又は包装のうち、主として一般消費者の生活の用に供するためのものについては、この限りでない。

 次に掲げる事項

 名称

 人体に及ぼす作用

 貯蔵又は取扱い上の注意

 イからハまでに掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

 当該物を取り扱う労働者に注意を喚起するための標章で厚生労働大臣が定めるもの

 (略)

【労働安全衛生規則】

第33条 法第五十七条第一項第一号ニの厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。

 法第五十七条第一項の規定による表示をする者の氏名(法人にあつては、その名称)、住所及び電話番号

 注意喚起語

 安定性及び反応性

(1)正しい。安衛法第57条第1項第一号のイにより、「化学物質又は製品の名称」は表示対象となる。

(2)正しい。安衛法第57条第1項第一号のニ(安衛則第33条(第二号))により、「注意喚起語」は表示対象となる。

(3)正しい。安衛法第57条第1項第一号のハにより、「貯蔵又は取り扱い上の注意」は表示対象となる。

(4)正しい。安衛法第57条第1項第二号により、「標章(絵表示)(※)」は表示対象となる。

※ 「労働安全衛生法第五十七条第一項第二号の規定に基づき厚生労働大臣が定める標章」に、「日本工業規格 Z 七二五三(GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法─ラベル、作業場内の表示及び安全データシート(SDS))に定める絵表示とする」とされている。

(5)誤り。「適用される法令」は表示の対象ではない。なお、SDSには記載されなければならない。

2020年12月05日執筆