労働衛生コンサルタント試験 2017年 労働衛生一般 問09

VDT作業のディスプレイ画面




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問09 難易度 VDT作業に関するごく基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない問題。
VDT作業のディスプレイ

問09 VDT作業の視環境としてのディスプレイ画面に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)画面における照度とは、画面に入射する光の明るさのことである。

(2)一般に、画面は紙に比べて拡散反射率が低い。

(3)画面に照明器具が映り込んで生じるグレアは、間接グレアである。

(4)画面の表面を粗くする処理をしても、反射光の総量は処理前とほとんど変わらない。

(5)画面のコントラストは、画面から測定者までの距離に依存する。

正答(5)

【解説】

いわゆるVDTガイドラインは、平成2002年4月5日に「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(以下「VDTガイドライン」という。)(通達)によって公表された。2019年7月12日には「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(以下「情報機器ガイドライン」という。)(通達)が公開されて、VDTガイドラインは廃止されている。この問題は2002年のガイドライン時代のものだが、現行ガイドラインでも結論に変わりはない。

(1)正しい。2019年ガイドラインの解説によれば「『ディスプレイ画面上における照度』とは、ディスプレイ画面から発する光の明るさのことではなく、ディスプレイ画面に入射する光の明るさをいう。」とされている。

(2)正しい。VDTの画面の表面は、ガラスなどであり、紙に比べて拡散反射率が低いことは当然であろう。

(3)正しい。ディスプレイにおける直接グレアとは、ディスプレイそのものが発する光によるまぶしさのことであり、間接グレア(反射グレア)とは、他の光源が映り込むことによるまぶしさのことである。

(4)正しい。表面を粗くすれば、光が乱反射するため間接グレアによる直接的なまぶしさは減少するが、反射する光の総量が減少するわけではない。

(5)誤り。コントラスト比とは、画面内の白い部分と黒い部分の輝度の比のことである。測定者との距離が変わってもコントラストが変わることはあり得ないだろう。

2019年12月01日執筆 2020年03月14日修正