労働衛生コンサルタント試験 2017年 労働衛生一般 問07

騒音障害防止のためのガイドライン




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問07 難易度 騒音障害防止ガイドラインに関する基本的な知識問題である。事前チェックで正答できる問題である。
騒音障害防止

問07 厚生労働省の「騒音障害防止のためのガイドライン」に関する次のイ~ニの記述について、正しいもののみの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 定期健康診断は、6か月以内ごとに1回、定期に行う。

ロ 雇入時等健康診断においては、選別聴力検査を実施する。

ハ 3分法平均聴力レベルは、1,000Hzの聴力レベル、2,000Hzの聴力レベル及び4,000Hzの聴力レベルを合算して3で割った値である。

ニ オージオメータによる選別聴力検査は、1,000Hzについては30dB、4,000Hzについては 25dB 及び 30dB の音圧の純音が聞こえるかどうかの検査を行う。

(1)イ  ロ

(2)イ  ニ

(3)ロ  ハ

(4)ロ  ニ

(5)ハ  ニ

※ 出題当時から「騒音障害防止のためのガイドライン」が変更されたため、問題文を一部修正している。

正答(2)

【解説】

本問は、問題本文にあるように「「騒音障害防止のためのガイドライン」「騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について」(令和5年4月20日基発0420第2号))に関する問題である。ガイドラインの内容を知らないと正答は難しいが、事前にチェックしておくべきガイドラインの一つである。合格のためには、正答できなければならない問題と言える。

※ なお、出題当時は「騒音障害防止のためのガイドラインの策定について」(平成4年10月1日基発第546号)(※)が有効であった。その後、2021年度に「騒音障害防止のためのガイドライン見直し検討会」が開催され、2022年3月22日に「騒音障害防止のためのガイドライン見直し方針」が作成されて本文の通達により改訂されている。

このため、本問は問題文を一部修正した。

以下により、本問の正答は(2)となる。

イ 正しい。騒音障害防止のためのガイドラインの8(1)ロには、「事業者は、騒音作業に常時従事する労働者に対し、6月以内ごとに1回、定期に、次の項目について、医師による健康診断を行うこと」とある。

なお、現行ガイドラインには、出題当時の旧ガイドラインにはなかった「省略できる場合の規定」があることに留意すること。

ロ 誤り。選別聴力検査では、オージオメータを用いて1,000ヘルツ及び4,000ヘルツにおける聴力検査を行う。

一方、雇入時等健康診断においては、オージオメータによる250、500、1,000、2,000、4,000、8,000ヘルツにおける聴力の検査が義務付けられているが、これは選別聴力検査とはいわない。

なお、選別聴力検査は、本来は騒音環境下の作業者を対象としたものである。

ハ 誤り。3分法平均聴力レベルは、500Hzの聴力レベル、1,000Hzの聴力レベル及び2,000Hzの聴力レベルを合算して3で割った値である。

ニ 正しい。なお、本肢は出題当時は「オージオメータによる選別聴力検査は、1,000Hzについては30dB、4,000Hzについては40dBの音圧の純音が聞こえるかどうかの検査を行う」となっており、正しい肢であった。新ガイドラインでは、聴力低下のごく初期段階を把握するため、4,000 ヘルツにおける検査の音圧を、40dB から 25dB 及び 30dB に変更されたため、問題文を修正したものである。

2019年12月01日執筆 2023年06月03日最終改訂