労働衛生コンサルタント試験 2013年 労働衛生一般 問09

旧・VDT作業ガイドライン




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 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問09 難易度 厚生労働省のガイドラインの見直しにより、現時点ではほとんど意味のない問題となっている。
情報機器(VDT)作業

問09 「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)作業区分は、VDT作業の種類と作業時間の組合せにより決められている。

(2)コンピューターによるプログラムの作成・修正の業務は、対話型作業に分類される。

(3)コールセンターにおける受注・予約・照会の業務は、拘束型作業に分類される。

(4)CAD業務において機械的に入力する業務は、単純入力型作業に分類される。

(5)1日4時間以上単純入力作業を行う作業者には、眼科学的検査を定期的に実施する。

正答(2)

【解説】

いわゆるVDTガイドラインは、平成2002年4月5日に「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(以下「VDTガイドライン」という。)(通達)によって公表された。2019年7月12日には「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(以下「情報機器ガイドライン」という。)(通達)が公開されて、VDTガイドラインは廃止されている。

この問題はVDTガイドライン時代のもので「作業区分」に関するものであるが、現行ガイドラインでは作業区分についての考え方が大きく見直され、「単純入力型」、「拘束型」、「対話型」などの作業の種類という概念が廃止されたため、現時点ではあまり意味のない問題である。

(1)当時は正しい肢。VDTガイドラインでは作業区分はA、B及びCに分けられ、明確にVDT作業の種類と作業時間の組合せにより決められていた。従って、出題当時は正しい肢であった。

なお、情報機器ガイドラインでは、作業区分は2区分に分けられており、明確にVDT作業の種類と作業時間の組合せにより決められているわけではないが、実質的には正しいと言ってよいだろう。

(2)当時は誤りの肢。VDTガイドラインでは「コンピューターによるプログラムの作成・修正の業務」は、技術型作業に分類されていた。

(3)当時は正しい肢。VDTガイドラインでは「拘束型とは、コールセンター等における受注、予約、照会等の業務のように、一定時間、作業場所に在席するよう拘束され、自由に席を立つことが難しい作業」であるとされていた。

(4)当時は正しい肢。VDTガイドラインでは「単純入力型とは、すでに作成されている資料、伝票、原稿等を機械的に入力していく作業をいう」とされていた。

(5)当時は正しい肢。VDTガイドラインでは、健康診断を配置前及びその後1年以内ごとに1回、定期に実施することになっている。眼科学的検査については、作業区分Aの者は全員に対し、作業区分Bの者は医師の判断により必要と認められた場合に、作業区分Cの者は自覚症状を訴える者に対して必要な場合に実施するものとされている。

そして、VDTガイドラインでは本肢の「1日4時間以上単純入力作業を行う作業者」は作業区分Aに該当していた。

なお、情報機器ガイドラインにおいても、本肢は正しいものと判断される。

2021年02月20日執筆