労働衛生コンサルタント試験 2012年 労働衛生一般 問03

じん肺対策(一般)




問題文
トップ
合格

 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2012年度(平成24年度) 問03 難易度 じん肺に関するごく初歩的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
じん肺対策(一般)

問3 じん肺に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病と定義される。

(2)じん肺健康診断の有所見率は昭和58年以降増加傾向にある。

(3)原因として酸化鉄、アルミニウムの粉じんがある。

(4)合併症として肺結核がある。

(5)じん肺の病変は不可逆性である。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。じん肺法第2条第1項第一号の定義の通りであり、じん肺とは粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病である。これは覚えておく必要がある。

【じん肺法】

(定義)

第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 じん肺 粉じんを吸入することによつて肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病をいう。

二~五 (略)

 (以下略)

石綿による労災決定件数の推移

図をクリックすると拡大します

(2)誤り。労働衛生関連の統計については、当サイトの「労働衛生(産業保健)最新統計」を参照して頂きたいが、じん飾健康診断の有所見率は、昭和59年(1984年)以降は、ほぼ一貫して減少傾向にある。

平成30年2月9日基発0209第3号「第9次粉じん障害防止総合対策の推進について」は、「昭和55年当時、6,842人であったじん肺新規有所見労働者の発生数は、その後大幅に減少し、平成28年には122人となるなど、対策の成果はあがっているものの、じん肺新規有所見労働者は依然として発生して」いるなどとしている。

(3)正しい。じん肺の大部分は職業性の無機粉じん曝露が原因であり(※)、酸化鉄による溶接工肺、アルミニウムによるアルミニウム肺などがある。

※ 労災疾病等医学研究普及サイト「原因物質と職種」など。

(4)正しい。じん肺による合併症は、じん肺法第2条第2項の規定により、じん肺則第1条に定められているが、①肺結核、②結核性胸膜炎、③続発性気管支炎、④続発性気管支拡張症、⑤続発性気胸及び⑥原発性肺がんの6疾病である。

(5)正しい。現在の医学では、じん肺で変化の起きた肺を元に戻すことはできない。

2022年01月07日執筆