第1種衛生管理者試験 労働衛生(有害業務)まとめ

化学物質による健康障害




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、衛生管理者試験問題(第1種)の過去問の中から「常温・常圧で蒸気として存在するもの」又は「常温・常圧での物質の状態」に関する問題をとりまとめて解説したものです。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。



1 化学物質による健康影響(全般)

執筆日時:

公表時期別出題状況
公表時期
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重要性
第1種

(1)考え方

この設問の形式は、次のように個々の化学物質による健康障害を、各選択肢に示して、誤っているものを問うものである。

【出題の形式】

問〇 化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(※)[化学物質名]による中毒では、[健康障害の状態]などがみられる。

これは記憶するしかないが、ほぼ確実に出題されるので、効率の良い学習が可能である。


(2)過去問の出題状況

過去12回で出題された物質は、以下の通りである。設問は、すべて「誤っているものはどれか」となっている。選択肢も繰り返し同じものが問われている。

ただし、最近は、正答に初出のものが出題されることもあるので、出題数が少ないものも覚えておく必要がある。

このページの上にある「実際の出題問題」ボタンから、実際の出題例を確認しておいてほしい。

 表.過去の出題状況
化学物質 健康障害 出題数 正答
ふっ化水素 慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯
貧血、溶血、メトヘモグロビン形成によるチアノーゼ
脳神経細胞が侵され、幻覚、錯乱などの精神障害
一酸化炭素 赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態
ヘモグロビン合成の障害による貧血、溶血
ベンゼン 再生不良性貧血、白血病
長期間のばく露によって造血器障害が現れ、再生不良性貧血
硫化水素 意識消失、呼吸麻
シアン化水素 細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれん
ノルマルヘキサン しょう神経障害
N,N-ジメチルホルムアミド 頭痛、肝機能障害
二酸化硫黄 慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕症
無機水銀 腎障害
塩化ビニル 慢性中毒で、慢性気管支炎、歯牙酸しょく
二酸化窒素 末梢神経障害
塩素 再生不良性貧血、溶血

2 化学物質による健康影響(発がん性物質)

公表時期別出題状況
公表時期
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重要性
第1種

(1)考え方

この設問の形式は、次のように個々の化学物質による職業がんを、各選択肢に示して、正しいものを問うものである。

【出題の形式】

問〇 化学物質と、それにより発症するおそれのある主たるがんとの組合せとして、正しいものは次のうちどれか。

(※)[化学物質名]・・・[職業がん]

これは記憶するしかないが、出題数は少ないが、同じものが繰り返し出題されるので、効率の良い学習が可能である。

なお、次表に主な化学物質とそれによる職業がんを示す。

がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程 疾病
ベンジジンにさらされる業務 尿路系腫瘍
ベーターナフチルアミンにさらされる業務 尿路系腫瘍
四―アミノジフェニルにさらされる業務 尿路系腫瘍
四―ニトロジフェニルにさらされる業務 尿路系腫瘍
ビス(クロロメチル)エーテルにさらされる業務 肺がん
ベリリウムにさらされる業務 肺がん
ベンゾトリクロライドにさらされる業務 肺がん
石綿にさらされる業務 肺がん又は中皮腫
ベンゼンにさらされる業務 白血病
塩化ビニルにさらされる業務 肝血管肉腫又は肝細胞がん
一・二―ジクロロプロパンにさらされる業務 胆管がん
ジクロロメタンにさらされる業務 胆管がん
電離放射線にさらされる業務 白血病、肺がん、皮膚がん、骨肉腫、甲状腺がん、多発性骨髄腫又は非ホジキンリンパ腫
オーラミンを製造する工程における業務 尿路系腫瘍
マゼンタを製造する工程における業務 尿路系腫瘍
コークス又は発生炉ガスを製造する工程における業務 肺がん
クロム酸塩又は重クロム酸塩を製造する工程における業務 肺がん又は上気道のがん
ニッケルの製錬又は精錬を行う工程における業務 肺がん又は上気道のがん
砒素を含有する鉱石を原料として金属の製錬若しくは精錬を行う工程又は無機砒素化合物を製造する工程における業務 肺がん又は皮膚がん
すす、鉱物油、タール、ピッチ、アスファルト又はパラフィンにさらされる業務 皮膚がん

(2)過去問の出題状況

過去12回で出題された物質は、以下の通りである。設問は、すべて「誤っているものはどれか」となっている。選択肢も繰り返し同じものが問われている。

ただし、最近は、正答に初出のものが出題されることもあるので、出題数が少ないものも覚えておく必要がある。

このページの上にある「実際の出題問題」ボタンから、実際の出題例を確認しておいてほしい。

 表.過去の出題状況
化学物質 職業がん 出題数 正答
石綿 皮膚がん
胃がん
ベンゼン 白血病
塩化ビニル 肝血管肉腫
ベンジジン 胃がん
ベンゾトリクロリド 膀胱がん
コールタール 肝血管肉腫
ビス(クロロメチル)エーテル 膀胱がん
クロム酸 大腸がん

3 化学物質による健康影響(金属)

公表時期別出題状況
公表時期
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重要性
第1種

(1)考え方

この設問の形式は、次のように個々の金属による健康障害を、各選択肢に示して、誤っているもの又は正しいものを問うものである。

【出題の形式】

問〇 金属による健康障害に関する次の記述のうち、誤っている(正しい)ものはどれか。

(※)[金属名]中毒では、[健康障害]などの症状がみられる。

これは記憶するしかないが、出題数は少ないが、同じものが繰り返し出題されるので、効率の良い学習が可能である。


(2)過去問の出題状況

過去12回で出題された物質は、以下の通りである。設問の多くは「誤っているもの」を問うものだが「正しいもの」を問うものもある。いずれにせよ、選択肢は繰り返し同じものが問われている。

ただし、最近は、正答に初出のものが出題されることもあるので、出題数が少ないものも覚えておく必要がある。

このページの上にある「実際の出題問題」ボタンから、実際の出題例を確認しておいてほしい。

 表.過去の出題状況
金属 健康障害 出題数 正答
金属水銀 感情不安定、幻覚などの精神障害、手指の震え
骨軟化症、鼻中隔穿孔
肺炎、肺気腫
マンガン 筋のこわばり、震え、歩行困難などのパーキンソン病に似た症状
指の骨の溶解、皮膚の硬化
指の骨の溶解、肝臓の血管肉腫
貧血、末しょう神経障害、腹部のせん
貧血、伸筋麻痺、腹部の疝痛
カドミウム 上気道炎、肺炎、腎機能障害
感情不安定、幻覚などの精神障害や手指の震え
クロム(※) 肺がん、上気道がん
低分子蛋白尿、歯への黄色の色素沈着、視野狭窄
角化症、黒皮症などの皮膚障害、鼻中隔穿せん孔
ベリリウム 溶血性貧血、尿の赤色化

※ クロムによる「肺がん、上気道がん」は、試験協会の公式発表では正しいとされている。詳細は、2020年10月公表問題問20の解説を参照していただきたいが、これは誤りではないかと思われる。