第2種衛生管理者試験 2026年4月公表 問28

体温調節の仕組み

問題文

学習する男性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2026年04月公表問題 問28 難易度 体温調節は2025年10月に引き続いての出題。内容は基本的なレベル。確実に正答できるようにしておこう。
体温調節の仕組み

問28 体温調節に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)計算上、100 gの水分が体重70㎏の人の体表面から蒸発すると、気化熱が奪われ、体温が約1℃下がる。

(2)体温調節にみられるように、外部環境などが変化しても身体内部の状態を一定に保とうとする性質を恒常性(ホメオスタシス)という。

(3)体温調節中枢は、間脳の視床下部にある。

(4)発汗とは、水分が皮膚から蒸発する現象をいい、不感蒸せつとは、水分が呼気により失われる現象をいう。

(5)寒冷な環境においては、皮膚の血管が収縮して血流量が減って、熱の放散が減少する。

正答(4)

【解説】

(1)正しい。汗が蒸発すると、気化熱によって体の熱を奪って体温を下げる。水の気化熱は1gにつき約 0.58kcal であるから、100 g の汗は約 58kcal の熱を奪う。一方、人体の比熱は約 0.83 であり、体重 70kg の人の熱容量は70 × 0.83= 58.1 kcalとなる。従って、汗が 100g 蒸発すると、計算上体温は 1.0 ℃下がる。もちろん、これは計算上のことであって、実際には 1.0 ℃も下がらない。

(2)正しい。体温調節のように、外部環境が変化しても身体内部の状態を一定に保つ生体の仕組みを「恒常性」という。

(3)正しい。体温調節中枢の元となる自律神経系の中枢は、小脳ではなく視床下部にある(体温調節機能は視床下部最吻側に位置する視索前野にある)。

なお、体温調節に関わる皮膚血管運動を支配する血管運動中枢は、延髄循環中枢にある。

ここで、脳幹について簡単に説明しておこう。まず、脳幹は、間脳、中脳、橋及び延髄に区分される。

間脳は視床と視床下部からなる。視床下部は、自律神経系の高位中枢である。一方、視床は、視覚、聴覚などの情報を大脳皮質に伝えるための中継の役割を有する。

延髄には、心臓中枢、血管運動中枢、呼吸中枢、嚥下中枢などがある。

小脳は、平衡機能、姿勢機能、随意運動などの調節をする。

(4)誤り。発汗とは、汗をかくことそのものをいい、水分が皮膚から蒸発する現象のことではない。汗をかいてまったく蒸発しなかったとしても、発汗である。

また、不感蒸泄とは、発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失のことである。文献によっては、皮膚からの蒸散のみを指すとするものもある。不感蒸泄の量は、条件により変動するが、常温安静時には健常成人で1日に約900㎖(皮膚から約600㎖、呼気による喪失分が約300㎖)程度と言われる。

(5)正しい。寒冷な環境においては、皮膚の血管が収縮して血流量を減らし、血液から熱が逃げる量を減らす。

2026年07月26日執筆