第2種衛生管理者試験 2019年4月公表 問07

労働安全衛生規則の衛生基準




問題文
トップ
合格

 このページは、試験協会が2019年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2019年04月公表問題 問07 難易度 衛生基準に関する細かいことを訊いている。やや難問の部類だろうか。
安衛則の衛生基準

問7 事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。

(1)日常行う清掃のほか、大掃除を、1年以内ごとに1回、定期に、統一的に行っている。

(2)男性20人、女性25人の労働者を常時使用している事業場で、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けていない。

(3)事業場に附属する食堂の炊事従業員について、専用の便所を設けているほか、一般の労働者と共用の休憩室を備えている。

(4)事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.8m2としている。

(5)労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の25分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。

正答(2)

【解説】

安衛則の衛生基準は必ず出題される。いささか細かなことを問われるが、過去問を押さえておけば正答可能である。完全な知識問題なので、覚えておくしかない。

掃除の頻度、休憩室の要件、トイレ(なぜか便房の数が問われることが多い)。自分の事業場が違反状態でないかどうかを考えながら覚えると覚えやすいかもしれない。

(1)安衛則第619条に違反している。大掃除は6月以内ごとに1回行わなければならない。あなたの事業場では、半年に一回、大掃除を行っていますか? やっていないと違反になる。試験までに覚えておこう。

【労働安全衛生規則】

(清掃等の実施)

第619条 事業者は、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

 日常行う清掃のほか、大掃除を、6月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うこと。

二及び三 (略)

(2)男女合わせて45人、女性25人なので安衛則第618条に違反しない。覚えておくのは、「常時50人以上又は常時女性30人以上」「労働者がが床することのできる」「男性用と女性用に区別して」の3箇所。なお、「が床」とは横になれるということ。会社ができた当初は守られていても、誰も条文を覚えていないと、物置に改造されて違反状態になっていることがよくある。

【労働安全衛生規則】

(休養室等)

第618条 事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。

(3)安衛則第630条第十一号に違反している。事業場に附属する食堂の炊事従業員については、専用の便所と休憩室を備えなければならない。

【労働安全衛生規則】

(食堂及び炊事場)

第630条 事業者は、事業場に附属する食堂又は炊事場については、次に定めるところによらなければならない。

 (略)

 食堂の床面積は、食事の際の1人について、1m2以上とすること。

三から十 (略)

十一 炊事従業員専用の休憩室及び便所を設けること。

十二から十五 (略)

(4)安衛則第630条第二号に違反している。床面積は通路も入れてのことである。0.8m2では、やや狭すぎるだろう。

(5)安衛則第601条第1項に違反している。なお、開放することができる窓等の面積が、床面積の20分の1未満では換気装置を設けなければならないことは覚えておくこと。

【労働安全衛生規則】

(換気)

第601条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。

第2条 (略)

2020年08月22日執筆