第2種衛生管理者試験 2018年4月公表 問05

労働安全衛生規則の衛生基準




問題文
トップ
合格

 このページは、試験協会が2018年4月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2018年04月公表問題 問05 難易度 衛生基準に関するやや細かい内容である。基本的な数値は覚えておこう。
安衛則の衛生基準

問5 事業場の建物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。

(1)労働者を常時就業させる屋内作業場に、換気が十分行われる設備を設けたので、労働者1人当たりの気積を8m3としている。

(2)常時男性5人及び女性35人の労働者を使用している事業場で、男女共用の休憩室のほかに、女性用の臥床することのできる休養室を設けているが、男性用の休養室や休養所は設けていない。

(3)事業場に附属する食堂の炊事従業員について、専用の便所を設けているほか、一般の労働者と共用の休憩室を設けている。

(4)精密な作業を常時行う場所の作業面の照度を350ルクスとしている。

(5)有害業務を行っていない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の25分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。

正答(4)

【解説】

(1)違反となる。労働者を常時就業させる屋内作業場は、安衛則第600条の規定により、設備の占める容積及び床面からmをこえる高さにある空間を除き労働者1人当たりの気積を10m3としなければならない。

これについては、換気が十分行われる設備を設けることによる例外規定はない。

【労働安全衛生規則】

(気積)

第600条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、10立方メートル以上としなければならない。

(2)違反となる。常時男性5人及び女性35人の労働者を使用している事業場では、安衛則第618条の規定により、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。

本肢は男性用の臥床ができる休憩室を設けていないので違反となる。

【労働安全衛生規則】

(休養室等)

第618条 事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。

(3)違反となる。安衛則第630条の規定により、事業場に附属する食堂の炊事従業員について、専用の便所及び休憩室を設けなければならない。

【労働安全衛生規則】

(食堂及び炊事場)

第630条 事業者は、事業場に附属する食堂又は炊事場については、次に定めるところによらなければならない。

一から十 (略)

十一 炊事従業員専用の休憩室及び便所を設けること。

十二から十五 (略)

(4)違反とはならない。安衛則第604条の規定により、精密な作業を常時行う場所の作業面の照度を300ルクス以上としなければならない。従って350ルクスであれば違反とはならない。

ただし、実際の作業場において安衛則第604条の規定では暗すぎる。

【労働安全衛生規則】

(照度)

第604条 事業者は、労働者を常時就業させる場所の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。ただし、感光材料を取り扱う作業場、坑内の作業場その他特殊な作業を行なう作業場については、この限りでない。

作業の区分 基準(メートル/秒)
精密な作業 3百ルクス以上
普通の作業 百五十ルクス以上
粗な作業 七十ルクス以上

(5)違反となる。有害業務を行っていない事業場においては、安衛則第601条の規定により、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上である屋内作業場を除き、換気設備を設けなければならない。

【労働安全衛生規則】

(換気)

第601条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の二十分の一以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。

2020年08月30日執筆