第2種衛生管理者試験 2017年10月公表 問27

神経系の構造と働き




問題文
トップ
合格

 このページは、試験協会が2017年10月に公表した第2種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2017年10月公表問題 問27 難易度 神経系に関する基本的な知識問題。確実に正答できなければならない。
神経系

問27 神経系に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体、1本の軸索及び複数の樹状突起から成り、ニューロンともいわれる。

(2)体性神経は、運動及び感覚に関与し、自律神経は、呼吸、循環などに関与する。

(3)大脳の皮質は、神経細胞の細胞体が集まっている灰白質で、感覚、思考などの作用を支配する中枢として機能する。

(4)交感神経系と副交感神経系は、各種臓器において双方の神経が分布し、相反する作用を有している。

(5)交感神経系は、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、心拍数を増加したり、消化管の運動を高める。

正答(5)

【解説】

(1)正しい。神経系を構成する基本的な単位である神経細胞は、通常、1個の細胞体(soma)から、多数の樹状突起と1本の軸索が生えているような形状をしており、ニューロン(neuron)と呼ばれる。

樹状突起から入力された電気信号は、軸索内を通って軸索末端に伝えられ、シナプスを通して他のニューロンの樹状突起などに伝えられる。

(2)正しい。末梢神経は、その機能によって、自律神経系と体性神経に分類される。体性神経は、意識と直結し、感覚器官で何かを感じたり、身体を動かすなどの機能である。自律神経は意識とは結び付かず、呼吸や循環などの内臓器の活動を制御したり、体温、血圧などを制御する機能を有する。

(3)正しい。本肢に記述されている通りである。

(4)正しい。自律神経は交感神経系と副交感神経に分けられる。交感神経は外敵に襲われた場合などに、身体の機能をより活動的に調節する働きがあり、副交感神経は逆に身体をリラックスさせる働きがある。

(5)誤り。(4)で述べた通り。交感神経系は、草食動物が肉食動物に襲われた場合などに働くが、急いで逃げる必要があるので、心拍数は増加し、消化管の運動は逆に抑制される。

2020年09月06日執筆