第1種衛生管理者試験 2026年10月公表 問44

疲労

問題文

学習する男性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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本問が最後の問題です
2026年10月公表問題 問44 難易度 疲労に関するやや高度な知識問題と問う問題だが、難易度は低い。同種問題は2017年4月公表問題以来。
疲労 2

問44 疲労などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)産業疲労は、疲労徴候の現れ方により、急性疲労、慢性疲労、日周性疲労などに分類することができる。

(2)慢性疲労は、1労働日から翌日にわたる生活サイクルの不調により発現し、だるさ、眠け、イライラ感等によって自覚される。

(3)近年の職場では、全身疲労のみならず、体の一部の筋肉を使う情報機器作業などによる局所疲労が問題となっている。

(4)エネルギー代謝率(RMR)が7の作業では、大きな疲労状態に陥る。

(5)労働時間の短縮は、仕事による負担を減らすと同時に、睡眠、休養を取りやすくするので、効果的な疲労蓄積の予防法のひとつと考えられている。

正答(2)

【解説】

本問は、かなり高度な知識を問うてはいるが、(4)以外は知識がなくとも「なんとなく」正解が分かるのではないだろうか。とくに正答の(2)は、日本語の意味から、「慢性」が「1労働日から翌日にわたる生活サイクル」が原因のはずがないと分かるであろう。

なお、ほぼ同種の問題が2017年4月公表の問42に出題されている。過去問の学習でどこまで遡って学習するべきかの指標となる問題かもしれない。

(1)正しい。小木1)は労働者の疲労を、急性疲労、亜急性疲労、日周性疲及び慢性疲労に分類した。この考え方は、産業保健の分野では広く受け入れられている。

(2)誤り。斉藤2)は、週ごとの休日で回復する疲労を週内性疲労、回復しない疲労を慢性疲労としている。本肢の「1労働日から翌日にわたる生活サイクルの不調により発現し、だるさ、眠け、イライラ感等によって自覚される」のは、日周性疲であろう。

疲労 意味
急性疲労 小休止までの仕事の単位サイクル内で進展するもの
亜急性疲労 作業中断も含めながら休憩をまとめてとるまで多少の進展を示すもの
日周性疲労 交替制勤務や不規則な生活等を主要因として日周期の生活サイクルの中で発現し,睡眠によって回復される
慢性疲労 通常の生活周期の中で回復がみられず蓄積的に影響を残す状態で,より長期の休養が要求される。

(3)正しい。疲労には、身体の部位により全身疲労と局所疲労がある。近年の職場では、全身疲労のみならず、局所疲労も問題となっている。

(4)エネルギー代謝率(RMR:Relative Metabolic Rate)の概念を提示したのは古沢3)であるが、これは次式で表せる。

RMR=活動時のエネルギー消費量−安静時のエネルギー消費量基礎代謝量

一般に階段昇降でRMRは 6.0 以上などとされており、RMRが7の作業では、大きな疲労状態に陥るだろう。

(5)正しい。労働時間の短縮は、仕事による負担を減らすと同時に、睡眠、休養を取りやすくするので、効果的な疲労蓄積の予防法のひとつと考えられている。

1)小木和孝「休息要求からみた疲労の種類.現代人と疲労」(紀伊国屋書店:1991年)

2)斉藤良夫「労働者の疲労をどのように研究すべきか」(中央大学教育学論集:2005年Vol.47)

3)古沢一夫「重筋的労働に就て」(労科学研究 1940年 Vol.13)

2026年10月09日執筆

本問が最後の問題です