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問29 労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
(2)ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。
(3)ある時点の集団に関するデータを静態データといい、ある期間の集団に関するデータを動態データという。
(4)健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の出現割合を発生率といい、一定期間に有所見とされた者の割合を有所見率という。
(5)病休度数率は、次式により求められる。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2026年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
| 2026年10月公表問題 | 問29 | 難易度 | 労働衛生関連の統計に関する知識は過去問でも頻出。ほぼ過去問の通りだが、変形させたものもある。 |
|---|---|---|---|
| 労働衛生関連統計 | 4 |
問29 労働衛生管理に用いられる統計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)集団を比較する場合、調査の対象とした項目のデータの平均値が等しくても分散が異なっていれば、異なった特徴をもつ集団であると評価される。
(2)ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められたとしても、それらの間に因果関係があるとは限らない。
(3)ある時点の集団に関するデータを静態データといい、ある期間の集団に関するデータを動態データという。
(4)健康管理統計において、ある時点での検査における有所見者の出現割合を発生率といい、一定期間に有所見とされた者の割合を有所見率という。
(5)病休度数率は、次式により求められる。
正答(4)
【解説】
労働衛生管理に用いられる統計に関する問題は、最初は 2018 年4月公表問題で示され、その後、6回は示されていなかった。ところが、2021年10月公表問題から 2023 年10月公表問題まで、毎回、示されていた。その後、2回連続で示されなかったが、2025年4月以降は、連続で示された。このような傾向は、今後も続くと思われる。
なお、選択肢は、最近は過去の公表問題とほぼ同じものが出題される傾向があり、今回は、(4)が若干、ひねってあるがすべて過去問と同じ肢である。
(1)正しい。正しい。平均値が正常値の場合、分散がゼロであればそのグループはすべてが正常値であるが、分散が大きければ異常なケースが存在している可能性がある。分散が異なれば、異なった特徴をもつ集団であると評価しなければならない。
(2)正しい。ある事象と健康事象との間に、統計上、一方が多いと他方も多いというような相関関係が認められても、たまたま(偶然)ということもあり得る。また、他に共通な原因があるだけで、その事象と健康事象との間には因果関係がないこともあり得る。
(3)正しい。静態データ(ストックデータ)とは、ある時点の集団に関するデータであり、例えばある時点の日本の人口などである。一方、動態データ(フローデータ)とは、ある期間の集団に関するデータであり、たとえばある1年間における出生数や死亡数などである。
(4)誤り。ある時点での検査における有所見者の出現割合を有所見率といい、一定期間に有所見とされた者の割合を発生率としている。有所見率と発生率の説明が逆になっている。
(5)正しい。病休度数率は、在籍労働者の延べ実労働時間数 100 万時間当たりの疾病休業件数で示される。なお、「疾病」と付いているが、通常の度数率(延べ100万実労働時間当たりの災害等の発生件数)を疾病について計算しているだけである。
なお、この機会に以下の概念についても覚えておこう。最近の衛生管理者試験は、過去の公表問題を「ひねって」出題することが多い。過去問の学習をするのは、合格するためであるが、最近の衛生管理者試験に合格するには、過去問の学習をするに当たっては出題されたことだけを覚えるのではなく、関係する事項についても理解しておく必要がある。





