第1種衛生管理者試験 2026年04月公表 問35

感覚及び感覚器(一般)

問題文

学習する女性

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2026年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2026年04月公表問題 問35 難易度 感覚及び感覚器に関する問題は過去問にもあるが、今回の問題の肢には新しいものがある。
感覚及び感覚器

問35 感覚又は感覚器に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)物理化学的な刺激の量と人間が意識する感覚の強度とは、直線的な比例関係にある。

(2)皮膚感覚には、触圧覚、痛覚、温度覚(温覚・冷覚)などがあり、これらのうち冷覚を感じる冷覚点の密度は他の感覚点に比べて高い。

(3)内臓感覚は、内臓の動き、炎症などを感じて、内臓痛などとして部位の特定ができる鋭敏な感覚である。

(4)網膜のすい状体は色を感じ、かん状体は明暗を感じる。

(5)平衡感覚に関係する器官である前庭及び半規管は、中耳にあって、体の傾きや回転の方向を知覚する。

正答(4)

【解説】

感覚及び感覚器全般に関する過去問は、本サイトが解説を載せている 2017 年4月以降前回までに5回出題されているが、新しい肢を含めることが多い。今回は(3)が新しい肢となっている。

なお、感覚とは、身体の外部にある情報=刺激(光、音、臭い、味、暑さ、寒さ、痛みなど)を身体の器官(感覚受容器)が感知して、神経(感覚伝導路)を通して感覚中枢につたえて、外部の情報を感じる一連のシステムである。

(1)誤り。これは感覚的に正しいと分かるであろう。ヴェーバー‐フェヒナーの法則によれば、刺激量の強度Rと対応する感覚量Eの関係は、

E=ClogR

となる。ここにCは定数である。そもそも、物理的・化学的な刺激の強度と人間が知覚する感覚の強度との関係が直線的な比例関係だったら、小さな音や光は感知できないだろうし、大きな音や光には耐えられなくなるだろう。

(2)誤り。皮膚感覚には、触圧覚、痛覚、温度感覚(温覚・冷覚)などがあることは、正しいと言ってよい。なお、触・圧覚の受容野は、厳密には別なものだが重複している場合が多い。

しかし、触・圧覚の受容器の密度は他の受容器の密度より高い。このために、触・圧覚は他の感覚器よりも細かい識別が可能となるのである。

常識で考えても、冷覚を感じる冷覚点の密度が、触圧覚に比して高いわけがないだろう。人間の皮膚感覚で、触覚よりも温度分布を細かく見分けられるわけがあるまい。

(3)感覚には、体性感覚、内臓感覚及び特殊感覚の3種類がある。本肢の内臓感覚(visceral sensation)は、受容器が内臓にある感覚で、内臓痛覚と臓器感覚があり、空腹感、のどの渇き、吐き気、動悸、内臓痛などを感じる。

内臓痛は鈍い痛みで、局在は不明瞭で、原因となる部位から離れた場所に痛み(関連痛)を生じることがある。

(4)正しい。網膜とはカメラでいえばフィルムの役割を果たす器官であり、視細胞は、暗いところで働き明暗を感じる捍体(杆体)細胞と、明るいところで働き色を感じる錐体細胞の2種類がある。

(5)誤り。平衡感覚に関係する器官である前庭が体の傾きを知覚し、半規管が回転の方向を知覚することは正しい。しかしこれらの器官は内耳にある。

2026年07月20日執筆