第1種衛生管理者試験 2024年04月公表 問19

局所排気装置




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2024年4月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2024年04月公表問題 問19 難易度 局所排気装置に関する基本的な知識問題である。過去問を学習していれば正答可能な問題。
局所排気装置

問19 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)キャノピ型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバ式フードに分類される。

(2)スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。

(3)囲い式フードの排気効果を型別に比較すると、ドラフトチェンバ型は、カバー型より排気効果が大きい。

(4)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。

(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

正答(1)

【解説】

本問は、局所排気装置の基本を問うものである。局所排気装置の具体的な形状は厚生労働省の「換気」の資料を参照されたい。なお、この資料は熟読することをお勧めする。

(1)正しい。キャノピー型フードは、発生源からの熱による上昇気流を利用して捕捉するもので、レシーバー式フードに分類される。

(2)誤り。スロット型フードは、発散源(作業位置)の外側にスロット型のフードを取り付けたものである。発散源の周囲から、吸込み気流によって有害物質を吸引するものであり、外付け式のフードに分類される。

(3)誤り。ドラフトチェンバ型とは、発散源をフードに囲い込んでいるが、作業のために囲いの1面を開口させているものである。一方、カバー型とは、発散源がフードにほぼ完全に囲い込まれていて、隙間程度の開口部しかないものである。

従って、カバー型の方が、ドラフトチェンバ型よりも、より排気効果が大きくなる。

(4)誤り。これは常識で誤りだと分かるだろう。口に細いストローを加えて息を吹き出す場合と、太いストローを咥えた場合で、どちらの方が力を要するかを考えてみればよい。断面積が大きくなるほど圧力損失が増すはずがあるまい。なお、ダクトの形状には円形、角形などがあることは正しい。

具体的には、円形の直線ダクトの場合、圧力損失は長さに比例し直径に反比例する。

(5)誤り。排風機は故障を起こさないよう、できるだけ清浄な空気で動作させたい。そのため、空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、空気清浄装置よりも後に設ける。

2024年04月06日執筆