第1種衛生管理者試験 2023年4月公表 問08

労働安全衛生規則の衛生基準




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2023年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2023年10月公表問題 問08 難易度 衛生基準は、過去問でも頻出事項であり、また本問は基本的な知識で回答可能である。
安衛則の衛生基準

問8 労働安全衛生規則の衛生基準について、誤っているものは次のうちどれか。

(1)炭酸ガス(二酸化炭素)濃度が 0.15 %を超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

(2)強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

(3)多筒抄紙機により紙をく業務を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。

(4)著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を作業場外に設けなければならない。

(5)屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。安衛則第585条第1項(第四号)により、事業者は炭酸ガス(二酸化炭素)濃度が 1.5 %を超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。0.15 %ではない。

【労働安全衛生規則】

(立入禁止等)

第585条 事業者は、次の場所に関係者以外の者が立ち入ることについて、禁止する旨を見やすい箇所に表示することその他の方法により禁止するとともに、表示以外の方法により禁止したときは、当該場所が立入禁止である旨を見やすい箇所に表示しなければならない。

一~三 (略)

 炭酸ガス濃度が一・五パーセントを超える場所、酸素濃度が十八パーセントに満たない場所又は硫化水素濃度が百万分の十を超える場所

五~七 (略)

 (略)

(2)正しい。安衛則第584条の規定により、事業者は、強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

【労働安全衛生規則】

(騒音の伝ぱの防止)

第584条 事業者は、強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

(3)正しい。安衛則第590条(及び第588条第1項第八号)の規定により、事業者は、多筒抄紙機により紙をく業務を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。

【労働安全衛生規則】

第588条 令第二十一条第三号の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場は、次のとおりとする。

一~七 (略)

 多筒抄紙機により紙をく業務を行なう屋内作業場

 (略)

 (略)

(騒音の測定等)

第590条 事業者は、第五百八十八条に規定する著しい騒音を発する屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。

 (略)

(4)正しい。安衛則第 614 条の規定により、著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を作業場外に設けなければならない。

【労働安全衛生規則】

(有害作業場の休憩設備)

第614条 事業者は、著しく暑熱、寒冷又は多湿の作業場、有害なガス、蒸気又は粉じんを発散する作業場その他有害な作業場においては、作業場外に休憩の設備を設けなければならない。ただし、坑内等特殊な作業場でこれによることができないやむを得ない事由があるときは、この限りでない。

(5)正しい。安衛則第 608 条第1項の規定により、事業者は、屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

【労働安全衛生規則】

(ふく射熱からの保護)

第608条 事業者は、屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉等があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

 (略)

2023年10月03日執筆