第1種衛生管理者試験 2022年10月公表 問34

食中毒発生の原因と予防方法




問題文
トップ
受験勉強に打ち込む

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、下表の左欄、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2022年10月公表問題 問34 難易度 細菌性食中毒は頻出事項である。正答できるようにしておこう。
食中毒

問34 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒で、ボツリヌス菌によるものがある。

(2)感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒で、サルモネラ菌によるものがある。

(3)O-157は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、腹痛や出血を伴う水様性の下痢などを起こす。。

(4)ノロウイルスによる食中毒は、冬季に集団食中毒として発生することが多く、潜伏期間は、1~2日間である。

(5)腸炎ビブリオ菌は、熱に強い。

正答(5)

【解説】

食中毒に関する問題は、過去問に頻出している。本問は、過去10回の中では(1)、(2)及び(3)は既出である。(4)は2017年4月公表問題の問32をややひねってあるが、実質的に既出である。正答である(5)が初めての出題なので、やや難問だったかもしれない。

(1)正しい。毒素型食中毒は、食物に付着した細菌により産生された毒素によって起こる食中毒である。代表的なものは黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌などである。

(2)正しい。感染型食中毒は、食物に付着した細菌そのものの感染によって起こる食中毒である。代表的なものはサルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクターなどである。

(3)正しい。腸管出血性大腸菌(O-26、O-104、O-111、O-121、O-128、O-157など)は、文字通り、出血性下痢の原因となるベロ毒素を腸管内で作る。2から9日の潜伏期を過ぎると下痢と腹痛が起きる。3日程度で腹痛や下痢の症状が激化し、頻回の水様便の後、血便が出るようになる。O-157は重症化することが多く、溶血性尿毒症症候群(HUS)となり、腎臓障害や神経障害を引き起こすことがある。

(4)正しい。厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問8によれば、「我が国における月別の発生状況をみると、一年を通して発生はみられますが11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12~翌年1月が発生のピークになる傾向があります」とされている。

また、同じ厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問9によれば、「潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間」であるとされている。

(5)誤り。国立感染症研究所の「腸炎ビブリオ感染症とは」によれば、「熱にも弱く、煮沸すれば瞬時に死滅する」とされている。。

2022年10月07日執筆