第1種衛生管理者試験 2017年4月公表 問32

ノロウイルスによる食中毒




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合格

 このページは、試験協会が2017年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年04月公表問題 問32 難易度 ノロウイルスによる食中毒に関する知識問題。基本的なことは押さえておき正答できるようにしたい。
ノロウイルス

問32 ノロウイルスによる食中毒に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)食品に付着したウイルスが食品中で増殖し、ウイルスが産生した毒素により発症する。

(2)ウイルスの感染性は、長時間煮沸しても失われない。

(3)潜伏期間は、1~2日間である。

(4)発生時期は、夏季が多い。

(5)症状は、筋肉の麻痺などの神経症状が特徴である。

正答(3)

【解説】

(1)誤り。ノロウイルスによる食中毒は、ウイルスそのものによって発症するのであり、ウイルスが産生した毒素により発症するのではない。

(2)誤り。ノロウイルスは熱によって活性を失わせることができる。なお、厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問15によれば、「ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます」などとされている。

(3)正しい。厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問9によれば、「潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間」であるとされている。

(4)誤り。厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問8によれば、「我が国における月別の発生状況をみると、一年を通して発生はみられますが11月くらいから発生件数は増加しはじめ、12~翌年1月が発生のピークになる傾向があります」とされている。

一般に、(例外はあるが)ウイルスは気温の上がる夏場や湿気の多い梅雨時には、活動が弱まるとされている。

(5)誤り。厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」問9によれば、「主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これらの症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません」とされている。筋肉の麻痺などの神経症状は出ない。

2020年08月10日執筆