問24 労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者に対して、法令により実施することが義務付けられている医師による面接指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ただし、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する者及び高度プロフェッショナル制度の対象者はいないものとする。
(1)面接指導の対象となる労働者の要件は、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり100 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。
(2)事業者は、面接指導を実施するため、タイムカードによる記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。
(3)面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。
(4)事業者は、面接指導の結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、原則として、面接指導が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。
(5)事業者は、面接指導の結果に基づき、その記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。
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2022年10月公表問題 | 問24 | 難易度 | 長時間労働者に対する面接指導は重要事項である。確実に正答できるようにしておきたい問題である。 |
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長時間労働者への面接指導 | 3 |
問24 労働時間の状況等が一定の要件に該当する労働者に対して、法令により実施することが義務付けられている医師による面接指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
ただし、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する者及び高度プロフェッショナル制度の対象者はいないものとする。
(1)面接指導の対象となる労働者の要件は、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり100 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。
(2)事業者は、面接指導を実施するため、タイムカードによる記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。
(3)面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。
(4)事業者は、面接指導の結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、原則として、面接指導が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。
(5)事業者は、面接指導の結果に基づき、その記録を作成して、これを3年間保存しなければならない。
正答(2)
【解説】
(1)誤り。面接指導の対象となる労働者の要件は、安衛則第52条の2第1項本文の規定により、原則として、休憩時間を除き1週間当たり40 時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり80 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者である。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者(中略)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
2から5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導の対象となる労働者の要件等)
第52条の2 法第66条の8第1項の厚生労働省令で定める要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。ただし、次項の期日前1月以内に法第66条の8第1項又は第66条の8の2第1項に規定する面接指導を受けた労働者その他これに類する労働者であつて法第66条の8第1項に規定する面接指導(以下この節において「法第66条の8の面接指導」という。)を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。
2及び3 (略)
(2)正しい。安衛法第66条の8の3及び安衛則第52条の7の3第1項により、事業者は、面接指導を実施するため、タイムカードによる記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。
【労働安全衛生法】
第66条の8の3 事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。
【労働安全衛生規則】
(法第六十六条の八の三の厚生労働省令で定める方法等)
第52条の7の3 法第六十六条の八の三の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする。
2 (略)
(3)誤り。面接指導の結果は、安衛法第66条の8第3項及び安衛則第52条の6第1項に基づき記録を作成しておかなければならない。これは、安衛則第51条の健康診断個人票とは別なものである。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 (第1項及び第2項 略)
3 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び前項ただし書の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
4及び5 (略)
【労働安全衛生規則】
(健康診断結果の記録の作成)
第51条 事業者は、第四十三条、第四十四条若しくは第四十五条から第四十八条までの健康診断若しくは法第六十六条第四項の規定による指示を受けて行つた健康診断(同条第五項ただし書の場合において当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「第四十三条等の健康診断」という。)又は法第六十六条の二の自ら受けた健康診断の結果に基づき、健康診断個人票(様式第五号)を作成して、これを五年間保存しなければならない。
(面接指導結果の記録の作成)
第52条の6 事業者は、法第66条の8の面接指導(中略)の結果に基づき、当該法第66条の8の面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
2 (略)
(4)誤り。事業者は、面接指導の結果に基づき、労働者の健康を保持するために必要な措置について、原則として、面接指導が行われた後「遅滞なく」医師の意見を聴かなければならない。条文で「3か月以内」とはされていないし、3か月では遅滞なくとはいえないであろう。
※ なお、「遅滞なく」がどの程度の期間を指すかについては「直ちに・速やかに・遅滞なくとは」を参照されたい。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 (第1項~第3項 略)
4 事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導の結果についての医師からの意見聴取)
第52条の7 法第66条の8の面接指導の結果に基づく法第66条の8第4項の規定による医師からの意見聴取は、当該法第66条の8の面接指導が行われた後(中略)、遅滞なく行わなければならない。
(5)誤り。事業者は、面接指導の結果に基づき、その記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。3年間ではない。
【労働安全衛生法】
(面接指導等)
第66条の8 (第1項及び第2項 略)
3 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び前項ただし書の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
4及び5 (略)
【労働安全衛生規則】
(面接指導結果の記録の作成)
第52条の6 事業者は、法第66条の8の面接指導(中略)の結果に基づき、当該法第66条の8の面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
2 (略)