第1種衛生管理者試験 2022年10月公表 問19

局所排気装置




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2022年10月公表問題 問19 難易度 局所排気装置に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
局所排気装置

問19 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。

(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、効率良く吸引することができる。

(3)ドラフトチェンバ型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、外付け式フードに分類される。

(4)スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。

(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。

正答(2)

【解説】

本問は、局所排気装置の基本を問うものである。局所排気装置の具体的な形状は厚生労働省の「換気」の資料を参照されたい。なお、この資料は熟読することをお勧めする。

(1)誤り。これは常識で誤りだと分かるだろう。口に細いストローを加えて息を吹き出す場合と、太いストローを咥えた場合で、どちらの方が力を要するかを考えてみればよい。断面積が大きくなるほど圧力損失が増すはずがあるまい。なお、ダクトの形状には円形、角形などがあることは正しい。

具体的には、円形の直線ダクトの場合、圧力損失は長さに比例し直径に反比例する。

(2)正しい。外付け式局所排気装置では、フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、排風量が節約できる。そもそもフランジを付けたら排風量を大きくしなければならないなら、わざわざフランジを付けるはずはあるまい。

(3)誤り。囲い式とは有害物質の発散源を囲う形状で、外付け式とは囲わない方式である。ドラフトチェンバ型フードは、囲い式に該当する。

これに対し、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するものとしては、グラインダーからの粉じんを吸引するために飛散する方向にフードを設けるタイプがある。これは、レシーバー式と呼ばれ、外付け式フードに分類される。

(4)誤り。スロット型フードは、発散源(作業位置)の外側にスロット型のフードを取り付けたものである。発散源の周囲から、吸込み気流によって有害物質を吸引するものであり、外付け式のフードに分類される。

(5)誤り。排風機は故障を起こさないよう、できるだけ清浄な空気で動作させたい。そのため、空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、空気清浄装置よりも後に設ける。

2022年10月05日執筆