第1種衛生管理者試験 2022年10月公表 問14

電離放射線とその健康影響




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2022年10月公表問題 問14 難易度 電離放射線に関する過去問と同じ問題。内容も基本的なもの。正答しておきたい。
電離放射線

問14 電離放射線などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)電離放射線には、電磁波と粒子線がある。

(2)エックス線は、通常、エックス線装置を用いて発生させる人工の電離放射線であるが、放射性物質から放出されるガンマ線と同様に電磁波である。

(3)エックス線は、紫外線より波長の長い電磁波である。

(4)電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れることが多い。

(5)電離放射線を放出してほかの元素に変わる元素を放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。電離放射線には、電磁波と粒子線がある。電磁波の例としてはガンマ線とエックス線があり、粒子線の例としてはアルファ線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線がある。

(2)正しい。エックス線とガンマ線はいずれも電磁波であり、その違いは発生機構の違いによるものである。ガンマ線は、放射性核種の原子核崩壊によって発生する。一方、エックス線は軌道電子の遷移によって発生するもので、エックス線装置を用いて発生させる。

エネルギが同じであれば、ガンマ線とエックス線は同じものであり、区別することはできない。

(3)誤り。エックス線及び紫外線が、いずれも電磁波であることは正しい。しかし、エックス線(波長:10nm~1pm)の波長は、紫外線(波長:100nm~380nm)よりも短い。

(4)正しい。被爆から発症までが数週間までのものを急性影響と呼び、数か月以上のものを挽発性影響と呼ぶ。白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れることが多い。

(5)正しい。電離放射線を放出してほかの元素に変わる元素を放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という。

2022年10月05日執筆