第1種衛生管理者試験 2022年10月公表 問04

特別教育の対象となる業務




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、試験協会が2022年10月に公表した第1種衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。

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2022年10月公表問題 問04 難易度 特別教育の対象業務を問う基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
特別教育の対象業務

問4 次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものに該当しないものはどれか。

(1)石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務

(2)潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務

(3)廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務

(4)特定化学物質のうち第二類物質を取り扱う作業に係る業務

(5)エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

正答(4)

【解説】

特別教育の実施は安衛法第59条第3項によって義務付けられている。特別教育を実施すべき業務は、安衛則第36条に定められている。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 (略)

 (略)

 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

【労働安全衛生規則】

(特別教育を必要とする業務)

第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。

一~七 (略)

 チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務

九~二十七 (略)

二十八 エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

二十八の二~三十二 (略)

三十三 潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務

三十四~三十五 (略)

三十六 廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務

三十七 石綿障害予防規則(平成十七年厚生労働省令第二十一号。以下「石綿則」という。)第四条第一項に掲げる作業に係る業務

三十八~四十 (略)

【石綿障害予防規則】

(作業計画)

第4条 事業者は、石綿等が使用されている解体等対象建築物等(前条第四項ただし書の規定により石綿等が使用されているものとみなされるものを含む。)の解体等の作業(以下「石綿使用建築物等解体等作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、作業計画を定め、かつ、当該作業計画により石綿使用建築物等解体等作業を行わなければならない。

2及び3 (略)

(1)行わなければならない。安衛則第36条第三十七号に、石綿則第4条第1項に掲げる作業に係る業務が定められており、石綿則第4条第1項には石綿等が使用されている建築物の解体等の作業が規定されている。

(2)行わなければならない。安衛則第36条第三十三号に、潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務が定められている。

(3)行わなければならない。安衛則第36条第三十六号に、廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の業務及びこれに伴うばいじん及び焼却灰その他の燃え殻を取り扱う業務が規定されている。

(4)義務付けられていない。安衛則第36条には、第2類に限らず、特定化学物質を取り扱う業務は定められていない。なお、問題文に特化則又は有機則と書かれていたら、特別教育は必要ないと考えてよい。

(5)行わなければならない。安衛則第36条第二十八号に、エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務が定められている。

2022年10月04日執筆