第1種衛生管理者試験 2018年10月公表 問04

特別教育を実施すべき業務




問題文
トップ
合格

 このページは、試験協会が2018年10月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2018年10月公表問題 問04 難易度 特別教育を実施すべき業務も広範にわたるが、主要なものは覚えておく。本問も正答したい。
安全衛生教育

問4 次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものに該当しないものはどれか。

(1)ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

(2)チェーンソーを用いて行う造材の業務

(3)第二種有機溶剤等を取り扱う業務

(4)高圧室内作業に係る業務

(5)石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務

正答(3)

【解説】

特別教育の実施は安衛法第59条第3項によって義務付けられている。特別教育を実施すべき業務は、安衛則第36条に定められている。なお、同条の第8号及び8号の2は2020年8月より改正されるが、本問の結論に変わりはない。

【労働安全衛生法】

(安全衛生教育)

第59条 (略)

 (略)

 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。

【労働安全衛生規則】

(特別教育を必要とする業務)

第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。

一から七の二 (略)

 胸高直径が七十センチメートル以上の立木の伐木、胸高直径が二十センチメートル以上で、かつ、重心が著しく偏している立木の伐木、つりきりその他特殊な方法による伐木又はかかり木でかかつている木の胸高直径が二十センチメートル以上であるものの処理の業務(第六号の二に掲げる業務を除く。)

八の二 チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務(前号に掲げる業務を除く。)

九から二十四 (略)

二十四の二 高圧室内作業に係る業務

二十五から二十七 (略)

二十八 エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務

二十八の二から三十六 (略)

三十七 石綿障害予防規則(略)第4条第1項各号に掲げる作業に係る業務

三十八から四十 (略)

【石綿障害予防規則】

(作業計画)

第4条 (略)

 石綿等が使用されている建築物、工作物又は船舶の解体等の作業

 第十条第一項の規定による石綿等の封じ込め又は囲い込みの作業

2及び3条 (略)

(1)行わなければならない。ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務は、安衛則第36条第28号に規定されており、特別教育の対象となる。

(2)行わなければならない。チェーンソーを用いて行う造材の業務は、安衛則第36条第8号の2に規定されており、特別教育の対象となる。

なお、2020年8月より、第8号が削除され、第8号の2を第8号としてカッコ書きが削除される(「第8号 チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務」と変更される)

(3)該当しない。「有機溶剤等」とか「特定化学物質等」とあったら、とりあえず特別教育は関係ないと考えてよい。なお、これらは作業主任者(技能講習)が関係してくることに留意すること。

(4)行わなければならない。高圧室内作業に係る業務は、安衛則第36条第24号の2に規定されており、特別教育の対象となる。

(5)行わなければならない。石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務は、安衛則第36条第37号が引用する石綿則第4条第1項第1号に規定されており、特別教育の対象となる。

2019年05月21日執筆