問35 血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)赤血球は、骨髄で産生され、寿命は約120日であり、全血液の体積の約60%を占めている。
(2)血液中に占める赤血球の容積の割合をヘマトクリットといい、貧血になるとその値は低くなる。
(3)好中球は、偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。
(4)リンパ球は、白血球の約30%を占め、Tリンパ球やBリンパ球などの種類があり、免疫反応に関与している。
(5)ABO式血液型は、赤血球による血液型分類の一つで、A型血液の血清は抗B抗体をもつ。
このページは、試験協会が2018年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2018年04月公表問題 | 問35 | 難易度 | 血液に関する基本的な問題である。確実に正答できるようにしておこう。 |
---|---|---|---|
血液循環 | 2 |
問35 血液に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)赤血球は、骨髄で産生され、寿命は約120日であり、全血液の体積の約60%を占めている。
(2)血液中に占める赤血球の容積の割合をヘマトクリットといい、貧血になるとその値は低くなる。
(3)好中球は、偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。
(4)リンパ球は、白血球の約30%を占め、Tリンパ球やBリンパ球などの種類があり、免疫反応に関与している。
(5)ABO式血液型は、赤血球による血液型分類の一つで、A型血液の血清は抗B抗体をもつ。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。赤血球のみならず、ほとんどの白血球、血小板は骨髄で産生されるので前段は正しい。しかし、全血液中の赤血球の容積率をヘマトクリットと呼び、健診の基準値は男性では40~52%、女性では33~45%程度である。
なお、ヘマトクリットとは、厳密には血液中の血球の体積の割合を示す数値である。しかし、血球の96%は赤血球なので、血液中に占める赤血球の容積の割合と考えてよい。
(2)正しい。ヘマトクリットは、貧血になるとその値は低くなる。
(3)正しい。白血球は、顆粒球、単球及びリンパ球に分類され、顆粒球はさらに好中球、好酸球及び好塩基球に分類される。好中球は、白血球の約60%を占める。偽足を出してアメーバ様運動を行い、体内に侵入してきた細菌などを貪食する。
(4)正しい。リンパ球は白血球の約30%を占め、Tリンパ球、Bリンパ球及びNK細胞に分類される。Bリンパ球は、細菌やウィルスなどの侵入に対して抗体を作る役割を持つ。Tリンパ球は病原体を排除する働きをもつ。NK細胞は免疫細胞で、病原体に感染した細胞を攻撃する。
(5)正しい。ABO式血液型は、赤血球(抗原)の検査と血清(抗体)の検査によって血液型を分類する。血清中には、A型は抗B、B型は抗A、O型は抗Aと抗Bの抗体を持つが、AB型はどちらの抗体も持たない。なお、赤血球上に、A型はA抗原、B型はB抗原、AB型はA抗原とB抗原を有し、O型はいずれの抗原もない。