第1種衛生管理者試験 2017年4月公表 問04

作業主任者の選任の対象となる作業




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合格

 このページは、試験協会が2017年4月に公表した衛生管理者試験問題の解説を行っています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年04月公表問題 問04 難易度 作業主任者の選任義務は広範にわたるが、主要なものは覚えておく。本問は正答したい。
作業主任者の選任

問4 次の作業を行うとき、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものはどれか。

(1)水深10m 以上の場所における潜水の作業

(2)セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業

(3)強烈な騒音を発生する場所における作業

(4)酒類を入れたことのある醸造槽の内部における作業

(5)試験研究業務としてベンゼンを取り扱う作業

正答(4)

【解説】

作業主任者の選任は安衛法第14条によって義務付けられ、安衛令第6条に選任すべき作業が定められている。従って同条を調べてみれば正答は分かる。

【労働安全衛生法】

(作業主任者)

第14条 事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任し(中略)なければならない。

【労働安全衛生法施行令】

(作業主任者を選任すべき作業)

第6条 法第14条の政令で定める作業は、次のとおりとする。

 高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法により、大気圧を超える気圧下の作業室又はシヤフトの内部において行う作業に限る。)

二~十七 (略)

十八 別表第三に掲げる特定化学物質を製造し、又は取り扱う作業(試験研究のため取り扱う作業及び(略)を除く。

十九及び二十 (略)

二十一 別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業

十九~二十三 (略)

別表第3 特定化学物質(第六条、第九条の三、第十七条、第十八条、第十八条の二、第二十一条、第二十二条関係)

 (略)

 第二類物質

1~29 (略)

30 ベンゼン

31~37 (略)

 (略)

別表第6 酸素欠乏危険場所(第六条、第二十一条関係)

一~七 (略)

 しようゆ、酒類、もろみ、酵母その他発酵する物を入れてあり、又は入れたことのあるタンク、むろ又は醸造槽の内部

九~十二 (略)

(1)選任する必要はない。高圧作業は、安衛令第6条第一号により「潜函工法その他の圧気工法により、大気圧を超える気圧下の作業室又はシヤフトの内部において行う作業」に限られている。水深10m 以上の場所における潜水の作業は対象ではない。

(2)選任する必要はない。セメント製造工程においてセメントを袋詰めする作業は、安衛令第6条に定められていない。

(3)選任する必要はない。強烈な騒音を発生する場所における作業は、安衛令第6条に定められていない。

(4)選任する必要がある。酒類を入れたことのある醸造槽の内部は、安衛令別表第6に定める酸素欠乏危険場所であり、酸素欠乏危険場所における作業は、安衛令第6条第二十一号により作業主任者選任の対象となる。

(5)選任する必要はない。ベンゼンを取り扱う作業は、安衛令第6条第十八号の対象であるが、同号カッコ書きにより試験研究業務は除かれている。

2020年08月02日執筆