労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全一般 問07

テールゲートリフターを用いた作業




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合格

 このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問07 難易度 知識問題ではあるが、安全という観点から考えれば、正答を導きだすことは可能な問題と言える。
テールゲートリフター

問07 テールゲートリフターを使用して、ロールボックスパレット(カゴ車)をトラックの荷台に積み降ろしする作業に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)昇降板にロールボックスパレットを載せて昇降するときは、昇降板のキャスターストッパー及びロールボックスパレットのキャスター付きストッパーを、それぞれ使用する。

(2)テールゲートリフターの最大積載重量を遵守し、昇降板の中央部にロールボックスパレットを配置する。

(3)昇降板の昇降時は、ロールボックスパレットの転倒を防止するため、作業者が同乗して支える。

(4)昇降板が濡れていると滑り易いため、耐滑性のある安全靴を使用する。

(5)昇降板が荷台の高さにあって、荷台から昇降板にロールボックスパレットを移動するときには、地面の方向(荷台の方向と逆の方向)を背にして後退りしない。

正答(3)

【解説】

本問は、(独)労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所の作成した「ロールボックスパレット使用時の労働災害防止マニュアル 安全に作業するための8つのルール」のルール8等からの設問である。

(1)適切である。厚生労働省「ロールボックスパレットの安全作業マニュアル」の「作業の安全のため!!守るべき基本ルール6」には、「昇降板、キャスターそれぞれのストッパーを使用する」とされている。なお、ルール8には、ロールボックスパレットのキャスター付きストッパーについての記述はないが、ストッパーを使用するべきは当然であろう。

(2)適切である。説明するまでもないだろうが、厚生労働省「ロールボックスパレットの安全作業マニュアル」の「3 ロールボックスパレット8つのルールの解説」の「rule8 テールゲートリフターでの取扱い」に「昇降板の最大積載質量を超えた積載をしないこと」及び「積載質量に偏りがないようロールボックスパレットは昇降板の中央に載せること」とされている。

(3)適切ではない。ルール8には昇降板の昇降時は、「作業者は昇降板に乗って操作しないでください」とされている。ロールボックスパレットの転倒を防止するため、作業者が同乗して支えることは危険である。

(4)適切である。ルール2には「安全靴やプロテクティブスニーカーを履いてください」とあり、必ずしも安全靴に限定していない。しかし、「つま先を保護し、靴底が滑りにくい安全靴等を着用しましょう」ともされている。安全靴の方がより安全であることからも、不適切とは言えないだろう。

(5)適切である。ルールには書かれていないが、墜落を防止するために当然のことである。

なお、「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(平成25年3月25日基発0325第2号)の第2の「(2)墜落・転落による労働災害の防止対策」のアに「⑦ 荷や荷台の上で作業を行う場合は、荷台端付近で背を荷台外側に向けないようにし、後ずさりしないこと」とされている。

2020年01月02日執筆 2022年12月28日最終改訂