労働安全コンサルタント試験 2019年 産業安全一般 問02

事業場の安全活動




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合格

 このページは、2019年の労働安全コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と正答を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問02 難易度 かなり基本的な問題である。迷うようなものもない。確実に正答しなければならない問題である。
事業場の安全活動

問02 事業場の安全活動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)危険予知活動とは、危険が予想される不安全箇所について、管理者のリーダーシップのもとで、関係作業者全員に、その対策、安全措置の考案等の提出を求め、これを実行することである。

(2)ヒヤリハット活動は、作業中にヒヤリとしたりハッとしたことなどを報告させ、それを危険有害情報として活用する活動で、報告した作業者を責めないことが必要である。

(3)安全当番制度では、作業者の安全意識の高揚を図り、安全活動に参加させるため、作業者全員を交替で安全日直、安全週番などに任命する。

(4)TBM(ツールボックスミーティング)は、現場で作業開始前などに短時間、その日の仕事の範囲、段取り、分担、安全衛生ポイントなどを話し合う活動で、効果的に進めるには、事前にテーマを用意したり、全員に発言させるようにするなどリーダーの役割が重要である。

(5)4S活動は、職場の整理、整頓、清潔、清掃を徹底させる活動で、整理とは、要るものと要らないものを分けて要らないものを捨てることを意味し、整頓とは、要るものをいつでも取り出せるようにすることを意味する。

正答(1)

【解説】

(1)誤り。現場で作業を開始する前に、その作業に伴う危険に関する情報をお互いに出し合って共有化し、危険のポイントと行動目標を定め、作業の要所要所で指差し呼称を行って安全を確認し合うものである。ヒューマンエラーによる事故を防止するために非常に有効な手段であるとされている。

危険が予想される不安全箇所について、管理者のリーダーシップのもとで、関係作業者全員に、その対策、安全措置の考案等の提出を求めるようなことはしない。

(2)正しい。厚生労働省の安全衛生キーワード「ヒヤリハット」には「ヒヤっとした、あるいはハッとしたことを取り上げ、災害防止に結びつけることが目的で始まったのが、ヒヤリハット活動です」「ヒヤリハットは報告する側にとっても、報告を受ける側にとっても、あまり名誉なことではありません。このため、労働者を責めないという取決めをし、これを実行しないと、制度が長続きしません」とされている。

(3)正しい。安全当番制度とは、職場の安全パトロール員や安全ミーティングの進行役を、当番制で全従業員に担当させる制度である。従業員の安全意識を高めるのに有効な方法とされる。

(4)正しい。ツールボックスミーティングとは、以下のようなミーティングであり、ツールボックスに座って行われるイメージから、この名称がついている。

場所 作業が行われる所/現場
実施時期 一日の作業の開始前
実施単位 職場の小さな作業単位
指導者 職長級の職員が中心となる。
形態 指示伝達や話し合い
内容 その日の作業の内容や方法、手順、注意事項等
その他 全員参加

(5)正しい。厚生労働省の安全衛生キーワード「4S(整理、整頓、清掃、清潔)」には「4S(よんえす)は、安全で、健康な職場づくり、そして生産性の向上をめざす活動で、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seiso)、清潔(Seiketsu)を行う事をいいます」とされている。

2020年01月01日執筆